≪10月1日≫
…いじめに関するニュースを見て
有香「私の学校にもいじめがいっぱいある」
母親「例えばどんな?」
有香「○○ちゃんが首をつかむ。■■君がイスを倒す。△△君が眼鏡を取る」
母親「それはね~、いじめではないよ」
有香「じゃあ何?」
母親「いじめって言うのは、悪気があってやるのよ。○○ちゃんも■■君も△△君も悪いことだと思ってないのよ」
≪10月4日≫
有香「先生が危険な友だちから守ってくれる」
支援が必要な子どもたちが通う学校です。いろんなことがあります。お互い様です。
≪10月6日≫
…最近、急に、手元の小さい文字が目が見えにくくなってきました。
母親「目が見えなくなってきた」
有香「そしたら、犬を買ったらええんやん」
母親「犬?何で犬買うの?」
有香「犬買ったらええやん」
母親「何で犬買うの?」
父親「何?」
母親「盲導犬や」
父親&母親
母親「有香ちゃん、盲導犬は育てる(訓練)のが大変なの」
有香「何で?」
母親「有香ちゃんみたいに、気になった所に、すぐに行ってしまったら困るでしょう」
立派な盲導犬に育てるまでの苦労について話して聞かせました。
≪10月9日≫
…数日前から歯がぐらぐらするのを嫌がっていました。
有香「歯がぐらぐらするので食べられない。お母さん抜いて」
母親「明日か明後日には抜けるわ」
≪10月10日≫
有香「抜いて~~~」
…母親が歯ブラシで左右に押すと、抜けそうになりました。
母親「有香ちゃん、うがいしてごらん、もう抜けるわ」
…うがいをしながら
有香「やった~、抜けた~~~」
結構、出血しましたが、すっきりしたようです。
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≪10月11日≫
有香「これで肉でも何でも食べられる」
昨夜抜けた(左端)のは、おそらく17本目の乳歯です。
歯科で抜いてもらった歯は6本。自然に抜けた歯が9本。母親が抜いた歯が2本です。
歯が抜ける感覚の記憶は、もう私にはありませんが、相当気持ちが悪いもののようです。
ちなみに、以前、講演会で下記の話を聞きました。
乳歯が永久歯に生えかわるまでの子どもは、永久歯に生えかわったあとの子どもとはまったく異なった存在です。
乳歯が永久歯に生えかわるに際して、子どもの成長に完全な転換が生じると考えねばならない。
(ルドルフ・シュタイナー 人間理解からの教育 筑摩書房 1996)
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≪10月10日≫
…英会話教室で先生と一緒に書いた日記
Today is October 10th.
We went to the park.
We played badminton.
Orange flower smelled good.
It smells like a cherry.
I feel fresh.
≪10月7日≫
母親「ちょっと(洗濯物を)片付けて」
有香「これ(洗濯物)はな、遊んでんねん」
…洗濯物を片付けながら
有香「今から家(箪笥)に帰るねん」
≪10月16日≫
有香「私だって、あれだもん」
母親「私だってあれって何?全然分からへん」
有香「独り言」
母親「…」
…母親は洗面所に移動しました。リビングから有香の独り言が聞こえてきました。
有香「そうだ、チャレンジ一年生っていう詩はどうだろう?」
有香「こらしょ…だって、皆、こらしょ知らないもんな…」
詩の構想を練っていたようです。一人でしゃべり続けていました。
≪10月16日≫
…朝食を食べながら
有香「何か、内臓が痛い。ピアノ(本日19時から)は行けるけど…、内臓がすごく痛い」
母親「それで、何なん?」
有香「内臓が痛い」
母親「だから何なん?ピアノは行けるけど、学校はどうなん?」
有香「学校?行けるよ」
母親「有香ちゃんが内臓が痛いって言ってるよ」
父親「アハハ」
元気に学校に行きました。
≪10月16日≫
…夕食を食べながら
有香「この魚、何?」
母親「さば」
有香「何でこんな不味い魚買ってきたん?」
母親「有香ちゃん、命を頂いているんだよ」
有香「それやったら、海に逃がしてあげたら?」
母親「焼いた魚を海に逃がしても、生き返りません」
有香「生き返る」
母親「どうやって生き返るん?」
有香「脱皮して」
≪10月18日≫
…リビングから有香が父親に話しかける声が聞こえてきました
有香「お母さん困ったな~」
父親「何?」
有香「お母さんの恩知らず」
母親
有香「お母さんの恩知らずが虫歯になって抜くねん。骨とくっついているから(手術が)大変やねん」
母親「有香ちゃん、親知らずよ」
有香「お母さんの恩知らず」
母親「恩知らずじゃない。お、や、し、ら、ず」
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≪10月19日≫
有香「これは何でしょう?」
母親「何、それ?」
有香「私はエイリアンになりたい」
母親「あ~、分かった。ベン10(ベンテン)やね」
有香「そう。オムニトリックスがあればエイリアンになれる。欲しい」
母親「要りません」
有香「エイリアンになりたいの」
母親「有香ちゃんがエイリアンになりたいって言ってるけど」
父親「エイリアンになってどうするの?」
有香「悪者をやっつける」
父親「エイリアンにはこの家を出て行ってもらいます」
母親「そしたら、お父さんとお母さんは、また可愛い赤ちゃんを産むわ」
有香「あのな、言っとくけどな、次ぎ生まれるのも私や」
母親「え~、次ぎ生まれるのも有香ちゃんなん」
有香「そうや」
父親&母親
有香「12月25日、サンタクロースに頼むわ」
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【ベン10】
主人公の10歳の少年ベンジャミン・テニスン(通称ベン)は、夏休みに、いとこのグウェンや祖父マックスとともに山奥のキャンプ場に出かけた。夜中に散歩をしていたベンは突如落下してきたカプセルの中から発見された腕時計オムニトリックスを装着、10種類のエイリアンヒーローに変身する能力を身につける。ベンはこの力で地球の悪人や宇宙からの侵略者に戦いを挑むことになる。
オムニトリックスを売っているとは知りませんでした。有香が描いた絵、似てますね。驚きました。
≪10月18日≫
有香「お母さん、○○(支援学校)を選んでくれて有難う。これで人生…」
母親「人生、何?」
有香「これで人生、抜群や」
≪10月19日≫
…朝食を食べながら
有香「地域学習は危険がいっぱい」
母親「どんな危険?」
有香「○○君が後ろから追いかけてくる。○○君は△△ちゃんの首を絞める。髪の毛をひっぱる」
父親「大変やな」
支援学校(支援学級)には健常児はいません。不意打ちなどがあるのは事実です。必ずしも地域の学校より安全・安心とは限らないと思います。でも、支援学校には地域の学校とは比べものにならないほど大人の目があります。
≪10月21日≫
…車中で
有香「お母さん、鳥の歌、歌っても良い?」
母親「良いよ」
有香「今~ 私の~ 願~い ごとが~」
母親「それ、鳥の歌じゃないやん」
有香「翼をくださいやで、鳥の歌やん」
確かに鳥の歌かも…
「翼をください」
今わたしの願いごとが叶うならば翼がほしい
この背中に鳥のように白い翼つけて下さい
この青空に翼をひろげ飛んでゆきたいよ
悲しみのない自由な空へ翼はためかせ行きたい
≪10月21日≫
…「バラが咲いた」をテレビで見ました
有香「何で散るの?」
母親「そりゃ~、咲いた花は散るのよ」
母親「有香ちゃん、心にバラが咲くって分かる?」
有香「分からんわ」
「バラが咲いた」
バラが散ったバラが散ったいつの間にか
ぼくの庭は前のように淋しくなった
ぼくの庭のバラは散ってしまったけれど
淋しかったぼくの心にバラが咲いた
バラよバラよ心のバラ
いつまでも ここで咲いてておくれ
バラが咲いたバラが咲いたぼくの心に
いつまでも散らない真赤なバラが
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≪10月21日≫
…連絡帳に自分で書いていました。
母親「有香ちゃんはアルツハイマーじゃないよ」
有香「いいや、私はアルツハイマーや」
母親「何で?」
有香「だって、全然、覚えられない」
連絡帳を見た担当の先生が有香に、「アルツハイマーではない」と説明してくれたそうです。
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≪10月21日≫
…夜、寝る前の会話
母親「お母さんね、明日エステに行くの」
有香「エステって何?分からん」
母親「お顔を綺麗にしたり、マッサージ(リンパ)をしたりしてもらうの」
有香「私も行きたい」
母親「有香ちゃんは綺麗だから、行く必要ないよ」
…有香が布団をバンバン叩きながら
有香「私もそばかす治したい」
≪10月23日≫
…父親の育毛剤を使って、毛を生やしたいといいます。
母親「髪の毛あるやん」
有香「ここ(つむじ)を無くしたい」
母親「つむじ?」
有香「お父さんに『一緒に使おうや!』って言ってきて」
…リビングに行き、父親に言いました。
母親「有香ちゃんが育毛剤を一緒に使おうや』って言ってるけど」
父親「『お父さんのが無くなるからダメ』って言って」
…洗面所に戻り
母親「『お父さんのが無くなるからダメ』って言ってるよ」
有香「『そんなこと言わずに一緒に使おうや!』って言ってきて」
有香には頭頂部につむじが二つあります。自分のつむじがどうなっているか、知っているんですね。
「○○しようや!」という表現は、小学校時代のボランティアさんの方言です。
≪10月23日≫
…夕食を食べながら
有香「お母さんは暇でいいね。私はこれから(19時~)ピアノや。あ~、忙しい」
≪10月23日≫
…登校時、スクールバスから涙目で降りてきたそうです。バスの中で頭を叩かれたからです。
一学期に叩かれたときには、午前中、泣きっぱなしだったそうですが、今回は泣かなかったそうです。
母親「有香ちゃん、大きい声で『やめて』って言わないとダメよ」
有香「私は優しい子やから言えない」
母親「お父さんには『やめなさい!』言ってるやん」
有香「あれは、お父さんがこそばして漏れそうになるから」
母親「お父さんに言えるんだから、言えるでしょう。『やめて』って言わないと、相手には有香ちゃんが嫌がっていることが伝わらないよ」
有香「…」
叩く子供に、おそらく悪気は無いと思います。しかし、やり返される相手(自分より強い人)にはやらないようです。
有香には、嫌なことをされたら泣くのではなく、嫌だという気持ちを伝えるように、何度も話しています。
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≪10月24日≫
有香「私は算数博士って呼ばれてるねん」
母親「誰から?」
有香「Y先生(担当)」
有香「それから、お天気博士って呼ばれてるねん」
一学期には、学校ではまったく算数に取り組めませんでした。
私がプリントを用意して持たせても、有香が嫌がったためです。(先生は無理強いはされません)
やる気になれば、足し算や引き算が出来るのに、そのことが上手く先生に伝わりませんでした。
二学期の初め、夏休みに自主学習した算数のプリントの束を提出しました。
先生はそれをご覧になり、こんなことが出来るのか…と、少し驚かれたようでした。
2学期の個別懇談で
・家ではプリント一枚、数分で仕上げること
・「先生は優しいから、私は絶対に怒られない」と言っていること
・算数は毎日取り組まないと忘れてしまうこと
などをお伝えしました。
最近、学校でも、算数に取り組めるようになりました。
ある日、1問解き、次の日16問解き、19問解き、そして、一枚全部仕上げられるようになりました。あまり時間はかからないそうです。「算数博士」と呼ばれ、やる気満々です。
≪10月24日≫
有香「給食の用意をしていたら、○ちゃんが押し寄せて来た」
母親「それで、『やめて』って言ったの?」
有香「言った」
母親「そしたら?」
有香「もっと押し寄せて来た」
母親「…」
有香「私はお盆を持ってたから、こけそうになった。どうしたら良い?」
母親「もっと大きい声で『やめて』って言ったら?」
有香「いくら言ってもあかんねん。無駄やねん」
母親「それで、これからどうするの?」
有香「これからは『やめて』ってしつこく言う」
≪10月29日≫
有香「今日な、制服から体操服に着替えて廊下を歩いていたら、○○ちゃんが来て足を踏んでん」
母親「それで?」
有香「今日初めて『やめて』って言えました」
母親「それで、足を踏むのをやめてくれたん?」
有香「いいや、やめてくれない」
「気持ちは言葉で言わないと相手には通じない」と、4年生の春から言い続けています。
≪10月29日≫
…時計を読めるようになったし、簡単な計算が出来るようになりました。
母親「有香ちゃん、時計が読めるようになってよかったね。K先生(個別指導の先生)のお陰やね」
有香「うん」
母親「でも、K先生に習えるのは」
有香「お父さんのお金でしょ」
母親「お父さんのお陰です。お父さんが一生懸命働いてくれてるからよ」