就学前検診&進路決定 | YUKAのおもちゃ箱

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≪平成17年11月17日≫ 
就学前検診に行きました。検診が終わり校舎から出た所で、教頭先生に声を掛けていただきました。
「あれから、いろいろ考えましたが、スタートは普通クラスでお願いしたいと思っています」と申し上げると、「それならば、校長室へどうぞ!」と仰いました。
一瞬ひるみ「また、主人と出直して来ます」と申し上げたものの、『何かあったら、すぐに夫の陰に隠れるような弱い母親(人間)でどうする!』と瞬時に心を立て直し、「今、伺います!」と言いなおし、教頭先生・母親・有香の3人で校長室へ向かいました。

就学前検診

同じ保育園から校区の小学校へ有香を含め14人が入学します。新一年生は70人前後だそうです。子供たちを見ていて気づいたのですが、14人中10人が女の子でした。女の子たちは“かごめ”で遊びながら待ち時間を過ごしていました。お友だちと一緒に「♪か~ごめ~、か~ごめ~」と歌いながら、手をつないでぐるぐる回っている有香の楽しそうな様子を見て、この2年8ヶ月の保育園での暮らしが本当に有意義なものであったと感じました。

内科検診・歯科検診は親が付き添いましたが、その後、有香だけが小学生のお姉さんに手を引かれ、奥の教室に入っていきました。後姿を見送っていると、小学生に「お母さんは、教室で待っていてください!」と注意をされました。

校長先生との話し合い(要約)

母  親 「あれから、A先生とおっしゃる専門家の先生・武庫川女子大学の先生・先輩方のご意見などを参考に夫婦で十分に話し合いました。A先生が、たとえ短い期間でも普通クラスで過ごした経験が有香にとって“生涯の財産になる”とおっしゃいました。普通クラスでのスタートをさせて頂きたいと思います。将来普通クラスでやっていくのが難しくなった時には、なかよしクラスへ移行しようと思います」

校長先生 「わかりました。教育委員会から“学校の考え”と“ご両親の考え”が違う場合は、ご両親の考えを優先させるようにと言われています。それでは、普通クラスでいうことにします。ただ、転入・転出される方があるので、4月になるまで3クラスになるのか、2クラスになるのかは分かりません。3クラスであれば1クラス24人ぐらいです。2クラスになれば35人ぐらいです。担任は35人中の一人としてしか、有香さんを見ることができないことはご了承ください。文部科学省は特別支援教育と言っていますが、現場の小学校では、来年度からすぐに始まるということは難しいと思います。3年ぐらいはかかると思います。“小学校へ入れたら預けっぱなし”では困ります。郊外学習の時など、『お母さん、ちょっとご協力をお願いします』ということがあると思います。その時にはよろしくお願いします」

母  親 「はい。勿論、預けっぱなしにする気はありません。出来るかぎりの協力は惜しみません。精一杯努力します」

教頭先生が有香を連れて退室されたので、話し合いは、校長先生と私(母親)の真剣勝負でした。校長先生の目から視線をはずさずに、私たち夫婦の思いを、静かな口調で伝えました。
校長先生は「職員一同で協力して取り組む」という内容のことを仰ってくださいました。