10年越し、ようやくこの山に登れるときが来た。GWの残雪期に登れるこの山、10年ほど前からGWになるたびに登ろうか登らないか考えた。最初の頃は自分の登山レベルと照らし合わせてみると行くことが億劫になってしまっていたし、2012年くらいからは百名山をこなす方に力を入れていたので毎回毎回この山の存在は出てきていたが登ろうと思わなかった。去年の屋久島の宮之浦岳登山でGW期に登ることができる百名山がなくなったので、今回登るタイミングが出てきた。日帰り必須、登山道がないこの山は天気が良くないと登るのが大変なことは十分わかっているので天気を見極めて計画。GW前半の28日、29日、30日は晴れ。後半4日、5日、6日も曇り晴れ。直前の29日日曜日は完璧に天気がいいことはわかるが前日が出勤日、30日も出勤日で登山前、登山後も体を休めることができないので、厳しいところもある。後半の4日から5日は仕事が休みでも曇り晴れの天気がどう変化するかわからないので、確実に天気がいい29日に行くことに決めた。最近のランニング効果で往復12時間はかからないと踏んだ。
最初の1時間の急坂をこなして雪が積もった稜線に出てしまえばなんとかなると思ったが、今年は冬に世の中が騒ぐほどの大雪となったにもかかわらず笈ヶ岳は積雪量が少ないという情報を知る。積雪が少なくなると藪こきをしなければならなくなり藪の度合いによって見積もり時間が12時間を超えてしまうかもしれなくなる。最初の急坂の前に出てくるジライ谷の渡渉も水の量で渡るのも難しくなるので、水の量、藪こきの少なさがあまりないことを願った。
3時40分起床、4時半に自宅を出発。中宮ビジターセンターの1㎞手前の駐車場には5時に到着。10分仮眠して5時半に登山開始。駐車場には思った以上の車が停まっていた。これだけ人が登っていたら何かあっても大丈夫だと思った。 
中宮

ビジターセンター1㎞手前の駐車場。途中にサルがいた。
中宮ビジターセンター。ここから本格的なスタート。
ビジターセンター裏からのやや急な登りを終えて二つ目のトンネルをくぐる。
 
スーパー林道沿いに歩く。
ジライ谷の沢に到着。水量が少なかったので難なく渡れた。 
 
沢渡後はいきなりの急坂。他の人の情報では激坂と書かれてあることがあったが納得。 
 
尾根伝いに登る。岩がむき出しになる場所が出てきて山に登っている感が出てくる。
 
登っている途中にピンクのツツジがたくさん咲いていた。 
 
振り向くと白山。感激。 
 
目の前に巨岩。名前はない。
 
雪が出てきた。
 
進行方向に青空が見える。とうとう尾根を登り切ったかな。
冬瓜山?遠いな。山頂はその先。
 
急坂の次は藪。かき分けて進む。
白山側の景色。下の方にスーパー林道が見える。
  
雪道を振り返る。
 
白山の全貌が現れる。
 
こんなに近くで白山を見たのは三方岩の登山以来。
 
雪道になってきた。歩きやすい。
 
坂を登り切って平坦地に到着。ここが冬瓜平かと思っていたが違っていた。
 
この平坦地から山頂が見えた。
 
平坦地から稜線沿いに登って行く。途中、雪が抜けて2m近く落ちてしまった。
 
登っていく右手に白山。
途中に藪道。ピンクのテープが頼り。
 
高度を上げる。こまつドームが見える。
 
出た!笈ヶ岳山頂。左側には大笠山。 
 
冬瓜山山頂手前のナイフリッジ。今回の難所のひとつと思っていたが雪がなかったので難なく通過。

ナイフリッジから。山頂はまだまだ先。
 
9:07分 冬瓜山。登山開始から3時間半。
 
 山頂を見ながらの稜線歩き。
 
振り返る。
 
雪崩そう。
 
雪道は歩きやすい。日焼けするな。
 
9:30 シリタカ山に到着。
 
シリタカ山山頂部は平坦で視界良好。
 
笈ヶ岳にちょっと近づいた。
 
遠くに北アルプスが見える。

シリタカ山を下る。
 
背後に白山。
 
白い世界。
 
下るということはまた山頂めがけて登り返し。そう考えると憂鬱。
 
クレパスのような溝。雪が緩んでいる証拠。
 
シリタカ山をぐんぐん下る。
 
最低鞍部から登りなおす。
 
振り返りシリタカ山。向うに白山。
 
巻き道ルートで山頂に近づいていく。
 
次は沢に積もっている残雪を利用して一気に稜線へ。道が急で厳しい登り。
稜線から山頂。近づいたぞ。

稜線。この先は藪。。。最悪。

藪を超えると目の前に山頂。かと思ったらその奥だと分かり心が折れる。
 
遮るものがない稜線歩き。左手に北アルプスが並ぶ。
 
気力がなくなってきている。
 
登っている途中、左手に出てきた雪の壁。
 
またもやピーク。左奥に見える岩が山頂。
 
 ピークを越えて。ようやく山頂!
山頂
約5時間で山頂に到着。これまでの長時間登山の経験とランニングによる体の強化が功を奏した。稜線に出てから景色三昧だったので山頂から新鮮に見えたのは北側の富山石川の県境にまたがる山たちだった。今日は天気がばっちりだったのでいい景色を見ることができた。
 
ついに登った。自宅から近い山なのに屋久島、利尻よりも遠かった。

大笠山

ズーム1

ズーム2
ズーム3 人はいないかな?
 
小松、加賀方面
 
ズーム1。ランニングで利用しているこまつドーム
 
今回の景色の主役、白山。
 
白山山頂部
 
奥に北アルプス
 
御嶽
 
乗鞍
 
右、穂高、左、槍ヶ岳。中央が大キレット。
右から三俣蓮華岳、双六岳、黒部五郎岳。
右から黒部五郎、鷲羽岳、水晶岳。
 
左、薬師岳。
 
中央左に立山
 
中央、剱岳。
親不知から延びるこの方面は判別が難しい。 雪倉岳、朝日岳かな、ひょっとして白馬もみえるかも(中央)。
 
今歩いてきた山頂直下からの南に延びる稜線。
 
左、大笠山。中央、大門山、右、猿ヶ山。大笠と大門の間に医王山が見える。
下山
下山は同じ道を戻る。登ってきた時間より短くなることは想定できたが計算しても4時間以上はかかると分かると気が遠くなる。下山開始からの稜線歩きの時に前にいる人の後をついて行ったのだが、その人たちが道がわからなくなり自分に聞いてきたが、自分も分からなくなってしまった。自分の後から来た団体が道が違うことを教えてくれたので道に迷わずに済んだ。危なかった。シリタカ山へ登る道に差し掛かった時に左側に山の斜面に沿って歩く巻き道があったのだがどこへ行くかわからなかったのでシリタカ山に向かって登り返した。後々、巻き道が近道でシリタカ、冬瓜と登り返さなくてもいいルートだと分かった。ここを使えばだいぶん早く帰れたと思う。雪道が終わり尾根をくだる長い行程。途中でピンクのリボンを見失って道がわからなくなることもあったがなんとかジライ谷の渡渉地点までたどり着く。渡渉地点は川が増水して飛び石が見えない。後から来た人が無理矢理わたっていったのを見て自分も真似てなんとかクリア。なんとか駐車場に到着した。
 
山頂付近。これから長時間の帰り。
 
シリタカ山への登り返し。
 
登り返さなくてもこの巻き道ルートを使えば時間短縮ができた。
 
シリタカ山山頂。