認知症の方にとって記憶は大事な宝物です。


例えば、最近夫を亡くしたNさん。

夕方になると「御飯を夫に作らなくちゃいけないから帰ります」
と言います。

この時、旦那さんが既に亡くなっている事を職員は言いません。


死んでいるのと、会えないけど生きているのでは雲泥の差がありますから…。


「今日は旦那さんは娘さんがご飯を作るって言ってましたよ」と声を掛けます。

するとNさんは「じゃあ安心ね」とほっとされます。


料理が得意だったNさんにとって、旦那さんにご飯を作るのは楽しみだったのでしょうね。


もう1つ、Kさんは戦争を体験された男性。


職員が敬礼のポーズをすると「それは海軍のだ。陸軍はこうやるんだ」と嬉しそうに敬礼の指導をしてくれます。


記憶は宝物、と言いましたが戦争の記憶が色濃く残っているのは寂しいです…。もっと幸せな記憶があるはずなのに。


戦争は記憶に爪痕を残します。
亡くなった私のおじいちゃんも戦争の話をそれはそれは詳しく且つ楽しそうに話していました。


85歳以上は4人に1人認知症の時代。これからもっと増えるでしょう。


戦争の辛い記憶が残らないように、もう戦争が起こりませんように…と話を聞くたび思います。