認知症の方々は昔の記憶が蘇るだけでなく、記憶が主体になったように話します。
「私の娘は大人しい子で…あれ、どこ行ったかしら。一人で帰ったのかしら」
娘は結婚し孫がいるにも関わらず、Sさんは娘が小さかった時に時間が戻っています。
この時新人の私は対応の仕方がわからず、
「もう暗いから、帰ったと思います」
と言いました。
するとSさんは
「あんな小さいのに一人で帰れるわけないでしょ!…ああどうしよう」
うろうろ歩き回りました。
見かねて先輩職員がSさんに声を掛けます。
「Sさん、娘さんはうちの事務員が車で送って行ったから大丈夫ですよ」
「あらそうなの!よかったわ~」
先程まで不安そうだった顔がぱっと笑顔に変わり、Sさんは落ち着いて部屋に戻っていきました。
先輩職員いわく、あの台詞を言えば落ち着くんだよ~とのことでした。
この時私が認知症について学んだ事柄はこちら↓
『不安な時に安心させるための言葉を見つけること』
人によって様々です。
例えば「明日仕事だから起きる」と真夜中に起きてきた方に、まだ早いと言っても納得しません。
代わりに「明日は日曜日だから、まだ休んでていいんだよ」と言うと納得して眠ります。
不安になった時に落ち着いて頂く「魔法の言葉」を探すことが大事だなぁと実感した出来事でした。