日本PTA全国研究大会の午後、
2019年8月24日(土)13:30~17:00に、こうべ市民福祉交流センターで開催されました。
午前中は日P大会、午後はPTAフォーラムと、PTAに関して考える1日となりました!
全国のPTAにモヤモヤを抱えた約100人が参加。
何よりも感動するのが、新聞記者さん達が、会社の垣根を越えて、有志の実行委員会を立ち上げて会を主催して下さっていること!!
それだけ、根の深い日本の社会問題であり、各個人では太刀打ちするのが難しいと、PTA問題を取材されている記者の皆さんが感じていらっしゃるのだと思いました。
熊本からも交通費自腹で来て下さっている実行委員さんもいらっしゃいました。本当にありがとうございます!
「子連れも大歓迎」と、会の最初に改めて案内がありました。
子供達のためのPTA、子連れ参加可能であるべきですよね。。
(※当日午前中に開催された、日本PTA全国研究大会は、各学校から5名ずつ強制動員があるにも関わらず、子連れ不可・・・><
これは本当に本末転倒だと思いました。)
【PTAフォーラムの構成】
前半は、「PTAのトリセツ」著者・今関明子さん(元神戸市立本多聞中学校PTA会長)と、
「PTAという国家装置」著者・岩竹美加子さん(ヘルシンキ大学非常勤教授)によるパネルディスカッション。
後半は、各グループに分かれてのグループディスカッションでした。
今関明子さんからは、地元・神戸市立本多聞中学校でのPTA改革の実践的なお話。
岩竹美加子さんからは、PTAの歴史的経緯(母の会からの経緯)や人間の権利について、学術的な観点からのお話をして頂きました。
様々な学びがありましたが、キーワードを記載します。
◆今関明子さん
・今、PTAを変える時期に来ている。
・もしPTAがなくなってしまったら、せっかくの学校とのつながりがなくなってしまう。
・PTAは社会をより良くするための民主主義を学ぶ場。
・12年前、免除の儀式が当たり前のPTA委員決め。お母さんを泣かせて、子供を不安にさせるPTAは変えなければいけない、と強く感じた。
・くじ引きをなくしたい → そのためには、全員立候補で決まるようになれば良い。
・アンケートを取って、続けるもの、やめるものを考えた。
(でも、アンケートを取るのもNGの学校も多い。)
・今の負担が多くて嫌なPTA活動のままで、任意加入の同意を取ったら、入る人がいなくなる。
まずはいらないものを減らして、魅力的にしてから、進めるのが良いと思う。
・PTA改革には、校長先生の覚悟が最重要!
・PTA改革には、地域の仕事が残ってしまうのが課題。
◆岩竹美加子さん
・1940年頃に、母の修養と奉仕のために作られた「母の会」がPTAの基礎になっている。
・シンプルに考えることが重要!
・いやなことはしない!(=人間としての権利)
・日本は権利教育がされていないのが問題。
・自分が1人の人間としてどう生きていくのかが大切。
・フィンランドは親たちの組織がある。先生は入っていない。システムがシンプル。
何かあれば、先生達に来てもらうようにしている。
・フィンランドでは、行政が親を束ねて、動員するなんてありえない。
Q&Aの時間では、元中学校の先生より、
「子供の利益を考えて欲しい。子供の意見も聞いて欲しい。」
というご意見が出て、とても印象に残りました。
「PTAと政治」「PTA改革の課題と実践」「非加入について」などのテーマごとに、
約10のグループに分かれて、グループディスカッションが行われました。
私は、Hグループにて「PTA改革の課題と実践」について9名のみなさまと話し合いました。
同じグループには、朝日新聞社の杉原記者をはじめ、TwitterのPTA界隈では知らない人はいないであろう大津市、名古屋市、広島市のPTA改革のトップを走る方々が!
その他、私も含め、現在PTA役員として、少しでもより良く変化していきたいと奮闘中のみなさまがズラリ。
自己紹介後は、次々に積極的に質問が出ました。
「限られた任期の中で改革をするための優先順位と内容は?」「一般会員の意識を上げていくには?」という2つの内容で議論は進みます。
・改革の順番
① 書類の整備(任意加入の同意書など)
② エントリー制とする
③ 活動内容の整備をする
・アンケートのポイント
①匿名であること。
②T会員(先生)の力を借りること。
事例)個人懇談の時にアンケートを持って来てもらうようにすれば、回収率9割だった。
・クラス選抜から学年選抜に変えると、友達同士で立候補できるなどのメリットもある。
だが、最終的には学級委員をなくし、エントリー制にした方が良い。
・エントリー制にしたら、誰がまとめ役をするのか?という不安もある。
→一定数(5%)はやる人がいる!
・改革が進んでいる学校の役員会の頻度は?
→平日に、年3回だけ。(かなり削減されている)
・P連について
P連を休会した(実質やめた)という学校のお話をシェア頂きました。
総会の議案に入れて3年。少しずつ進めたとのこと。
デメリットは県Pがやっている保険のこと。単Pで契約するようにした。
広報紙をやめて、P連を抜けたら、だいぶ経費削減となる。
・教育委員会を動かして、手引きを発行するように導かれた最初の1歩は何でしたか?
→入学前に何の説明もなく、PTA会費の引き落とし資料を提出させられる。これはおかしい。詐欺にあたると、教育委員会に電話とFAXで連絡し、調査を進めてもらった。その結果、平成28年に契約するようにと事務連絡が出て、平成30年に手引きが発行された。
最後に、各グループからの発表があり、ここでも沢山の意見を聞くことが出来ました。
中でも印象に残ったことは、岡山で改革を進めてこられた会長さんの言葉でした。
「自分が得たものは何もない。でも、
自分の子供や孫が、PTAに関わる時に、成果が見えればよい。」
本当にそう思います。
今回PTAフォーラムを主催して下さった記者のみなさまも、
自主的に自分のお金を払って参加したみなさまも、
こんなおかしい仕組みでみんなが苦しむのを見ていたくないのです。
でも、すごく根の深い問題なので、自分たちの出来ることから1歩ずつ、
それぞれの立場で動いている。
そんな仲間に出会えて、勇気をもらえて、すごく実りのある時間でした。
2学期からも頑張るぞ!と気合が入りました^^
今回の内容もみんなにシェアしていきたいと思います。
本当に素敵な時間をありがとうございました!!!
懇親会もとっても楽しかったです♪
【PTAフォーラム神戸 掲載記事一覧】
・西日本新聞(2019年8月25日)
https://news.headlines.auone.jp/stories/domestic/social/12655159?genreid=4&subgenreid=12&articleid=12655159&cpid=10130089