水仙祭り①では25年前の記憶をたどりながら、当時の水仙祭りを振り却ってみました

25年ぶりのNarzissenfest"水仙祭"①昔の思い出 | 再びウィーンで暮らす (ameblo.jp)
 
今回も、前回同様、前日から現地に入って、オブジェを作るところを見たり、様々な場所で行われるVolksmusik(オーストリアの民族音楽)の演奏などを楽しんで、祭りの雰囲気を味わいました

 

まずは宿に到着して一休みしたら、町の中心街へお散歩

真正面に見えるのが、私の記憶に色濃く残っていた山”Loser”

 

前日までのウイーンでの真夏日が嘘のような寒い一日で、ダウンが手放せません!
 
この地方の家の特徴は家の一部がちょっと前に出ていて、サンルームの様になっています
壁の装飾が美しい
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チロルやザルツブルガーランドではこのようなタイプの家は見かけないので、このあたりの伝統的な建築様式なのかしら?
新築の家にもこのような美しい装飾がなされていました
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こちらは町の消防署ですが、このとおりの、立派な伝統的な様式の建物 3月に訪れた時の写真です
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消防署の入り口の上には聖人フローリアンの木彫りの像↓
火事になった建物の上からバケツをひっくり返して水をかけています。
 
溺死させられ殉教したフローリアンは、おぼれそうになった時、火事になった時など、水と縁が深い出来事と結びついて人々を救う聖人として世の中で頼りにされるようになったそう
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その消防署ので中で、水仙祭りのオブジェ製作が始まってました
 
かなり大きなオブジェのようですね
水仙のさし方は、まず、骨組みを作り、そこを網でカバーします。
一つの網に最低4本の水仙の茎を挿して、隙間なく網を埋めていきます

緑の部分は天然の苔

 

伺ったのは午後4時頃でしたが、まだ作業は始まったばかり。明日までに終わるのか???

 

 

こちらは、町の中心の特設テントの中

観光名所”Salzwelten”(岩塩抗)が協賛

 

余談ですが・・・

この岩塩抗は第二次世界大戦中、ヒットラーが接収したフェルメールの名画”絵画芸術”(現在ウイーンの美術史美術館蔵)をはじめ、一万点にも及ぶ名画が隠されていたらしい。ナチスによって、最後は爆破されそうになったが、抗夫たちによって救い出されたという、事実があるそうです。

 

岩塩抗の作業員?鴨かアヒルがヘルメットかぶってる設定かな?

 

 

ズームしてみると、枯れていないお花がぎっしり網にさされています  果てしない作業!
 
目はどんなふうに仕上げるんだろう?と思い、数時間後にまた立ち寄ってみると・・・目が入りました!

なんとなんと、ピンクのガーベラ!ぴったりですね!

しかも、まつ毛まで・・・!可愛い💗

三つ編みもつけてますね‼️

小道具が加わると、生き生きとしてきます

 

 

テントの中ではもうひとチーム

こちらはサッカーチームの仲間

若者中心です

 

 

この町に住む子供たちは、水仙祭りと共に成長していくのでしょう!真剣なまなざしで作業しています!

 

大人はビールを飲みながら(笑)↓

最も大変なのは、水仙の手摘み作業でしょう

1つのオブジェを作るのに、3万本から10万を超える本数の水仙が必要とのこと

気が遠くなるような数字です

しかも、あっという間に茶色になってしまうので、早々と摘むことはできません。

出来るだけ茎を長くして摘むことが、長持ちの秘訣だそうですよ

 

バケツに入れられた水仙が、出番を待っています
 

数時間後に再訪すると、ずいぶん出来上がっていました!

サッカー少年たちも丁寧にオブジェづくりに取り組んでいます

だいたい、二人一組となって、一人が花を渡し、もう一人が丁寧に、網に水仙を挿していきます

 

 

真剣な眼差し❣️

 

おっとここで、早速知り合いにばったり会いました

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3月にスキーでこの町に遊びに来た時に立ち寄った、民族衣装のテーラードのお店の若旦那さん

サッカーチームの関係者なので、このオブジェの近くにたまたまいらしたのでした。

 

私達の唯一のこの町での知り合い(笑)

 

ここに来る途中、この方に会わないかなぁ?と話してたところでした。すぐ会っちゃった🤣🤣

 

若旦那さんからは、お祭りをどこで見るのが良いかとか、明日の細かい日程を教えて頂きました。

 

湖の方を散歩しようと、歩いていたら、民族衣装でバッチリ決めた方が颯爽と歩いてきました!

余りにも、山をバックにした姿が絵になっていたので

思わず・・・・

 

”素敵ですね!写真を撮らせていただいてもよろしいですか?”

と声をかけました

 

オジサマは快く応じてくれ、この通り、ポーズもばっちり決まってます!!

この方は、ドイツのバイエルン地方から、このお祭りを見にいらしたそう。

胸に見えるワッペンはバイエルン地方のワッペン

皮のズボンの緑の刺繍が黒に映えますね!

足に巻いているのはサポーターか??

靴下はよく見かけますが、オジサマ曰く、一種のおしゃれだそうです。

 

私はオーストリアの田舎でたまに見かけるこの帽子に興味深々!
これはGemse(ゲムゼ/カモシカの仲間)の毛から作られた帽子の飾り
根元は止めて、先が扇状に広がる様が素敵💗
オジサマ、さらに生の葉っぱをデコレーション
 
スマホだけどなかなかうまく撮れたなあと、ちょっと自画自賛(笑)
余りにオジサマ、決まっていたので、他の方も便乗して写真をとっていました!

 

さあ、ちょっとお散歩開始

山をバックにマーガレットのお花畑が絵になります💗

 

散歩の途中、家の玄関先に、水仙と共に、祭りのパンフレットを置く、地元の方々のさりげないお心遣いがまた素敵!

 

 

ほそーい道を抜けた先には、明日、オブジェを浮かべる湖

Altausseeが見えてきます

 

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湖畔をしばらく歩くと、広場が見えてきました

 

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広場の奥の方には、下記のような透かしの像

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この方はこの町出身の Paul Preuss(1886-1913)

その時代において、オーストリアのもっとも著名な登山家の一人で、特にフリークライミングの父と呼ばれるそう。

プレートには彼の残した言葉が刻まれていました

”Das Können ist des Dürfens Maß”

(自分自身が許可したことが可能性に繋がっていく、別の言い方をすれば、自分が自分に対して許可してないことは、難しい)

大変奥深い言葉! 

人生すべてに通じる言葉ですね。

 

 

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お散歩の途中で、ちょっと一休みしようとしたら、湖沿いのレストランの特設テントの中から、音楽が聞こえてきました

この赤いパラソルの奥に明日のお祭りに備え、設置された巨大テント

 

中に入ると、地元の音楽隊の方たちがワインを飲みながら、楽しそうに演奏されてる!

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テントの中のお客さんたちに向けて演奏するというより、自分たちが楽しいから、シュナップスやワイン飲みながら、気楽に演奏しているようで、肩ひじ張らず、こちらも気楽にその場にいられました

 

そのうち、レストランの主人や、若い従業員なども加わり、楽しい民族音楽が始まりました

絶妙な手拍子と、かなり高齢のこの楽団の隊長さんかな??の美声や奇声(笑)に注目してお聞きください

オーストリアのVolksmusik(民族音楽)は、どれも、聞いていて幸せな気持ちになります
 
実際、この動画でも、演奏している方も、ニコニコしながらバイオリン弾いてますし、皆さんのちょっとずつずれる手拍子は、身体に沁みついた心のリズムの表現のようで、その絶妙な間に惚れ惚れしました。
 
お天気は夜になるにつれてどんどん回復し、シンボルの山”Loser”もライラックと共にクリアに見えました。

 

一日目の夜は、町の中心のレストランで!

お祭りのイベントの一環で、チターやギターとアコーデオンの演奏があり、

目の前の席で楽しませて頂きました

この方たちご夫婦かな?息もぴったり!
 
 

 

民族衣装をお召しの方の割合がとても高いお店でした。
明日がお祭りだからでしょうか?
こちらの方々もばっちり決めていらっしゃいました。
 
(主人のセーターと、私のブラウスも実は、先ほどばったり会った若旦那さんの民族衣装のお店で購入したものでした。お祭りで着るために買うことになっていたのかもしれませんね)
 
このご夫婦とは、隣同士でチターの演奏を動画に収めた時、ちょっとお話しする機会がありました
 
ご主人様はお仕事で何度も日本にいらっしゃったことがあるそうで、日本人のおもてなしの心にいたく感動されたお話しをしてくださいました。
 
2年前に結婚式をAltausseeの湖畔のホテルでなさったそう。
奥様は6年前に家族と一緒にお祭りに来たことがあるので、今回ご主人に是非見せたくて、結婚式をあげたホテルに泊まり、そこからお祭りを見るそうです。
 
なんとも素敵なカップルとお話しできてとっても楽しかった!

 

その上、サプライズがもう一つ

道端で写真を撮らせて頂いたバイエルンの民族衣装のオジサマが隣のテーブルに座っていました🤣

カモシカの毛の帽子が目印ですね!

 

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この日はお料理の写真を撮り忘れ、唯一、食後に大好きな”Zirben”シュナップスを頂きました。

Zirbenシュナップスについては、以前、熱く語ったことがあります。

こちらをご覧ください

 

 

バイエルンのオジサマはやはり伝統文化の守り手だったことがここで判明しました

ドイツのビールの祭典”オクトーバーフェスト”に毎年参加し、ダンスや民族音楽を楽しんでいるそう。

 

今年のオクトーバーフェストは2023年9月17日(土)から2週間行われ、ミュンヘンでは7キロにわたる民族衣装を着た人々の行列があるそうです!

 

ある場所では、テントの中で、伝統的なダンスや音楽が行われ、5000人のTracht(民族衣装)を来た人々の集団が様々なパフォーマンスを行うそうです。

 

あーこんな話を伺うと、”祭り女”の血が騒ぎますラブラブラブ

 

 

レストランでずっと演奏してくださったお二人
 
帰り際にお礼を申し上げ
”これはチターですか?”と聞いてみると、
”そうだよ”と言って、私たちに向けてちょっとだけ弾いてくれました

 

ご夫婦でいつまでも一緒に楽器を奏でられる人生って素敵ですね(夫婦がどうかは不明ですが、たぶんそうかな?)

 

 

10時近く、宿への帰り道で消防署の前を通りがかったので、夕方訪れたオブジェがどうなったか、覗いてみました
子供達も参加して、大勢で作業していますが、まだまだかかりそう。

 

 

 

話しを伺ってみると、この方は、他のオブジェを既に完成させ、自宅に戻ったのですが、消防署のすぐ近くに住んでいて、まだまだ終わりそうもなさそうなので、サポートにやってきたそうです。

優しい方💗

 

”あとどれぐらいかかりそうですか?”と伺うと
”おそらく、徹夜しないと無理だと思うわ”とおっしゃっていました

びっくりびっくり

でも、悲壮感はなくて、3年ぶりに開催されるお祭りを楽しんでいらっしゃるのが伝わってきました

 

明日は、消防署のこのスペースも、ビアガーデンとなって、観光客の方に飲み物、食べ物を提供します

 

帰り道、美しくライトアップされた、若旦那さんの民族衣装のお店の前を通過します

 

 

 
いやはや、まだ祭り前日にも拘わらず、十分に堪能させて頂いた気分
 
宿に戻ってからは、祭りのパンフレットやネットを検索して、オブジェを作る20近いグループの情報を調べたら、そこにドラマが感じられ、ワクワクしてなかなか眠れませんでした
 
遠足前の子供みたい・・・
25年前の思い出も重なり、再びここに来れた奇跡に感謝しながら、ようやく明け方近く眠れたような・・・
 
かなりの長文になりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました
 
次はいよいよ祭り当日❣️
水仙祭りはまだまだ続きます!