茶道は「お茶道具」と言われるように、茶道専用の道具を使います。今日は、その1つ「柄杓(ひしゃく)」の、使い方や形についてお伝えします。

 

お茶道具シリーズ記事は、茶道をまったく知らない方が読むと「へ~そうなんだ!」と感じていただけるように、専門用語を使わないで分かりやすく解説しています。

 

日本の伝統文化に興味がある方、知識をつけたい方は、ぜひ最後まで読んでくださいね。

 

 

写真で、私が手にしているのが「柄杓」です。「ひしゃく」と読みます。

 

 

●何をするもの?

 

茶碗に湯や水を注ぐために使います。

 

釜から茶碗へ、水指から茶碗へ、そして水指から釜へ、湯や水を注ぎます。

 

 

●材質は?

 

柄杓は「竹」でできています。
 

 

●形は決まっている?

 

2種類あり、炉の季節(11月~4月)と、風炉の季節(5月~10月)とでちがいます。

 

それぞれに、大きさ(汲める湯量)、柄の長さ、柄の角度など、すべての寸法が決まっています。

 

炉の季節(11月~4月)のほうが、先が大きくなっているので、くめるお湯の量が多くなります。寒い季節に、沢山の湯をくめるようになっています。

 

 

●誰が作る?

 

「竹」細工の職人さんが作ります。

竹細工は他には、竹かごの花入れ、茶杓、蓋置きなどがあります。

 

 

●名前

 

柄杓には銘(めい:名前のこと)は、普通はついていません。私は銘の付いた柄杓は見たことがありません。どこかにあるかもしれませんね。

 

 

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点前のあいだは、柄杓は釜に伏せて置いていることがほとんどです。茶室の形や大きさにより、置き方が決まっています。

 

「きれいに持ち、きれいに汲み、そしてきれいに置く」のを点前で流れるようにできるようになると、点前はかなり上達しています。

 

 

私は、釜の湯を柄杓にくんで持ち上げて動かす時や、お茶碗に湯を注ぐ時、お湯をこぼしてしまう時があります。ポタって。。。いけません。

 

まだまだ修行して、きれいに点前をできるようになりたいと思います。

 

 

柄杓を持って水をくむことは、現代の生活ではまずありません。

むかしは、井戸でくんだお水をかまどの横の亀にうつして、亀から柄杓で水をくんで鍋や洗い物に使っていました。井戸とかまどがあった時代までは、どの家庭でも柄杓は使われていたんですね。

 

そう考えると、茶道でお湯をくむのに柄杓を使うことは、特別ではなく、ごく普通のことだったと言えます。私たちの暮らしが変わっただけです。

 

茶道の道具を紐解いてみると、昔から現代の生活の変化も発見できますね。

 

水道の蛇口をひねればお湯が出る現代。

昔は井戸で水をくみ、桶や亀にうつし、鍋にうつし、薪で火をおこし、沸かしてやっとお湯が使えました。

 

お湯って、ありがたいものなんですねー。

なんだか、おばあちゃんの説教みたいになってきました。。。

 

 

 

※次回の侘び寂び茶会は、9月~10月ごろの予定です。