こんにちは~。今日は阿部暁子さんの「カフネ」の感想です。

 

 主人公の薫子は国家公務員として働くキャリアウーマン。旦那さんとは不妊治療を数年続けてきたけれど子供の恵まれない。そしてあるひ突然旦那さんから離婚届けを渡される薫子。

 

 そんな薫子と12歳年の離れたとても穏やかでいつも笑顔の春彦とう弟が一人暮らしの部屋で亡くなった。あまりのショックに自暴自棄になる薫子。そんな薫子のもとに春彦から遺産相続の遺言状が届く。そしてまるでなくなることがわかっていたかのように、亡くなった後に薫子の誕生日があり春彦より誕生日プレゼントも届く。いつもは一緒に会って祝ってもらっていたのに不信がる薫子。

 

 そのプレゼントとともに送られてきたのは婚約までしていたせつなという彼女へ向けた贈り物も。更に遺言にはその彼女のせつなにも遺産を相続してほしい文言がある。

 

 薫子はせつなに会い、弟からの贈り物と遺言のことを伝えるが、せつなはそっけなく「そんなものはいらない。相続も受け取らない。贈り物もいらない」と突き放す。

 

 はじめから感じがよくないせつな。そんなせつなに薫子も憤慨するが、次第に二人の関係性が亡くなった弟を通して変わっていく。。。

 

 

 人間の多様性、家族環境、その人をわかったつもりでもそれはほんとにみているのは一面だけで、実は知らないことがたくさんあること。悩みなど声に出しては叫べない助けを必要としている人がたくさんいること。 この物語は薫子、せつな、春彦らを通して色々と考えさせられます。阿部さんからの心のメッセージを感じる一冊でした。興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。