ワークライフ/ORSCコーチの前田典子です。

数日前のことですが、この記事を目にしました。

「女性は結婚を」という社会の圧力 独身が故の貧困
http://www.huffingtonpost.jp/2014/07/26/single-woman_n_5624126.html
                        (朝日新聞デジタル2014年7月27日)

(引用始め)
独身が故の女の貧困 働けど資格取れど、この息苦しさ

きょうは千葉・船橋、あすは市川へ――。都内に住む50代の独身女性は、毎日違う倉庫で働いている。

倉庫内を動き回りながら荷物を運ぶ、きつい仕事だ。ネット通販で消費者が購入した品物を棚から取り、配送用の段ボール箱に入れ、注文通りの品物が入っているか点検する。広い倉庫で一日中、衣料品、事務用品、化粧品や装飾品の棚をせわしなく行き来すると歩く距離は1日数キロ。「一日の終わりには腰が痛む」と言う。

登録する派遣会社2社から、毎日、携帯電話にメールが届く。900~1千円程度の時給を比べながら、あすあさってに働く現場を決め、メールを返信する。

週5回働き、稼ぎは月に13万円ほど。交通費はほとんど出ない。国民年金保険料などを支払うと手元に残るのは8万~9万円。ボーナスはない。高齢の両親と実家で暮らすが、「食べていくのに精いっぱいで貯金はほとんどできない」。

(引用終わり)

ここまで読んで、私と同年代でこの生活はきつい・・・と。

その先を読み進めて、あら?と。この方きちんとキャリアを作ってきているではないですか。

(引用始め)
専門学校を出て、20歳のときに、事務職の正社員として就職。キャリアアップのため、仕事をしながら、夜間で都内の有名大学を卒業した。その後病気で、いったん仕事を辞めざるを得なくなった。30代で再就職したときには、派遣の道しかなかった。

それでも仕事は充実していた。外資系銀行に派遣されていたときには、部下を持つ管理職も任された。当時の収入は、月25万~30万円程度あった。事務職の派遣として、それぞれの会社に1~3年ずつ、10社近く渡り歩いた。

2年前に、派遣で事務職の契約が満了したとき、次は安定した正社員の職につきたいと思った。厚生労働省の職業訓練プログラムを受講し、パソコンのスキルを磨いた。だが、ハローワークで正社員の職を探すと、キャリアカウンセラーは「あなたに合った職場は見つかりません」と言うばかり。「派遣から抜け出すのは難しい」と実感する。

50代になったいま、派遣先を選ぶ余地も狭まった。「女性は年齢がいくほど、仕事がなくなっていく」と思う。

つなぎのつもりだった倉庫への派遣は、もう1年以上になった。
(引用終わり)

こういう状況にある方というのは、キャリア形成という意識の欠如によると思ってきたけれど、このように可能な限りキャリアを積み重ねてきた人も最終的に50代になって肉体労働をしなければならないということに愕然としました。

病気で仕事を休んだ後、できるだけ早く派遣を抜け出せていたら・・・・。
現在のような状況であれば正社員になる機会にも出会えたのでしょう。

ただ、「外資系銀行での管理職」というところをジャンプ台にできなかったのかとも思います。
その後事務職派遣に戻ってしまったのが勿体なかったような。

このケースを見て、私自身、ぞーっとしたのでした。
私自身、30代のときに外資系銀行に転職した際、「絶対に自分で食べていけるものを身につけておかなければ」という危機感は身体にすり込まれました。現在何とかなっていて、このケースの方のように肉体労働をしなくて済んでいるのは、その危機感のお陰です。

いま、キャリア研修で大企業の20代、30代女性とご一緒することが多々あります。
中には昔の「腰掛け」のような意識でのんびりなさっている方もいます。大きな企業だと危機感はなかなか感じにくいですし、年代的にもいろいろな可能性があるので、それもわかります。
しかし、今の時代は自分で生きていななければならなくなっています。一方で人生は長い。
ぜひ今の経験から自分のキャリアに何かプラスになるものを得るという貪欲さを持っていただきたいと思うのです。

数年前から30代のビジネスマンのコーチングのご依頼が増えています。キャリア形成に対する危機感を持ちながら、将来きちんと自分で生きていくことができる生存力をつけておきたいものですね。


夏は5時台に朝ラン
しています。
すでに猛暑です
この暑さはあと一ヶ月ちょっとでしょうか。元気に乗り切りましょう。