ハッピーのブログ -5ページ目

恋と友情とタコの刺身

わたしはマスターのオススメする北海道産のタコの刺身をつまみながら
一杯やっていた。




ぼんやりとあることを考えながら。


男女間に友情は存在するのか?

もう少し細かく言うと友達なのだが恋のようなあの独特な感覚がよぎってしまったとしてもその後友情を育んでいけるのか?というお話。



例えば気になる人がいたとして

その気になるというのは好きということで

しかしその好きというのは気を許した人に対するもののような。。

そして時々一緒に食事したり、楽しいことを共有できればいいなとも思っている。

好きな本とか映画とか音楽も。。



これが恋だとしたら

絶対に実らないという設定。



その場合この気持ちを伝えるべきなのか。

考える。

考える。


恋心として伝えるのか? 友情の証として伝えるのか?

考えるが


よくわからなくなってきたので

こう決めた。


絶対に実らないとしても気持ちだけは伝えたいので



恋心として伝え、その瞬間にあきらめる。

つまり今まで通りの友達でいる。

ということは男女間に友情は存在するという結論に至る。

しかし恋心がばれてしまうと気まずくなり友達でいられなくなる可能性もあるため告白の仕方が重要になる。



わたしが考えた告白の仕方はこうだ。。

「今度タコの刺身食べに行こうか?」

と誘う。


彼女は多分

「なんでタコの刺身?」

「タコの刺身の専門店なんてあるの?」

「えっ、なんで?タコ好きなのかな?」

等と心の中で思うはずだ。



それを見透かしたかのように

「なんでタコの刺身だと思う?」

質問する。


彼女は

「好きだから?」

聞いてくる。


ここで決め台詞。

「そう、好きなんだ。」

目を見て「大好きなんだ」



完璧なやり方だ。

自分にしかわからない告白。


彼女には気づかれずに恋心を伝え一瞬であきらめる。

友達に戻る。





その後わたしは店を出て

寒さに震えながら真っ暗な空を見上げ心の中でつぶやいた。



「別にタコじゃなくてもいいよな?」


と。


shiba

天麩羅とビール

休日のランチは散歩中に決める。

晴れた日に歩くという行為はストレスを軽減させ爽快な気分にさせてくれる。

そんな日にわたしがチョイスするビールはスーパードライ。

そのキレのある辛口の飲み物はまさに爽快という言葉が似合う。


頭の中はスーパードライ一色になってしまった。

何を肴にしようか考えた。


まずは爽やかな香の物で一杯。

そうしている間に天麩羅を揚げてもらう。

胡麻油の香りと天麩羅を揚げる音。


決めた。

千束へ向かおう。


ということで




一杯やっている間に天麩羅を待つ。

この待っている時間が好きだ




主役が登場した。


きつね色の衣。

そのふわっとした衣の中にタネが入る。


本日のチョイスはえび穴子天麩羅。

重そうな見た目からは想像がつかない軽い衣にプリプリのえびとふっくら穴子。

野菜もいい。


そこへスーパードライの爽やかさが加わる。

あまりにも相性がよくビールを追加してしまった。


相変わらずの優しい接客も心地よい。

昔から変わらないお店。

変わらない味。


素敵なお店に出会えてよかったなと思う。




そして以前住んでいたこの町にはたくさんの思い出がある。

いろんな悩みを抱きながらもなんとか楽しく暮らしてこれた。

20代から40手前までの自分がそこにいる。


これからも悩んだり笑ったりして生きていくのだろう。


独り身で。。。

独り身。




そんなことを考えながらわたしは店を出て

眠気を誘う14:00の空を見上げ心の中でつぶやいた。



寂しいな。。。


と。


shiba

休日の昼飲み

休日の朝

眩しいくらいの太陽の光で目が覚める

目覚ましに頼らずにに起床する朝はやはり心地が良い。


そして掃除や洗濯などを済ませば散歩の後の至福が待っている。

その日は

ある有名な天ぷら屋さんで

久々にアナゴの天ぷらを食べたいなとも思ったが並ばずには入店できない人気ぶり。

ということでその隣。昔ながらの蕎麦屋さんへ。

このお店も雰囲気がある。


歴史のありそうな建物とおばあちゃんの優しさあふれる接客が素晴らしい。


案内された席につきまずは一杯




板わさにビールを頼んだ。


美味い。

昼間っから飲むビールは何故こんなにも美味いのだ。


お客さんはぽつりぽつりと入っている。

ほとんどが休憩中のランチのようだ。


肉南蛮蕎麦が人気のようで皆それを注文する。

そして体格の良い男達は5分ほどで平らげ、慣れたもので釣銭無しのお勘定を済ませ店を出ていく。



そんなあわただしい中で昼酒を楽しんでいる。

なんか悪いなって思う。


そんなこと考えてたら

常連らしきおじいちゃんが新聞片手に入ってきた。

席について注文したのは瓶ビールとイトヨリの天ぷら。


しぶいぞ。

おじいちゃん。

新聞を読みながら天ぷらで一杯。

締めは「もり」かな?

なんて観察するのも楽しい。



その日わたしは昭和56年から2年ほど続いた食エッセイを読んでいた。




「むかしの味」


食べること

そのお店の雰囲気だったり、そこで食べているお客だったり、店主の親切さだったり。

いろんな要素が至福を生み出す。

そして思い出に残る。

そんなことを考えさせてくれました。



その後

わたしは瓶ビールの残りを一気にグラスへ注いだ。

何で締めるか。。。


壁に貼られたメニューを眺めた。


鴨。。。

脂ののった鴨肉。

冬に甘みを増すネギ。


決めた。

鴨せいろだ



美味い。


蕎麦をすすった後は蕎麦湯と鴨汁を飲み干す。

なんという優しい味だ。



年季の入った建物。

おばあちゃんの優しい接客。

お客の雰囲気。

蕎麦の喉越し。

汁を引き立てる蕎麦湯。


少し贅沢だったが最高の昼飲みだった。

そして財布の中はというと千円札が一枚と小銭達が寒そうに抱き合っていた。。



店を出た後、わたしは快晴の空を眺めた。


そして眩しさに目を細めながら心の中でつぶやいた。


「晩飯抜きだな」

と。。



追伸

ちなみにこの蕎麦屋さん

ラーメンも美味いよ。





昔ながらのね!


shiba