その日も今日みたいに暑くジリジリと日差しが照りつける夏日でした。

朝から奥さんは出産準備でソワソワ。

前日から義母が来てくれて準備完了!

この暑い日にバスと徒歩で病院まで行くと言うので
『タクシーで行ったら、それか、お昼なら送って行くよ』とボクが言うと

『もう少し下がらないと今日中に産まれんといかんで歩いていくわ!』

そう、どうしても8月中に産みたかったんです。

上の子とボクが6月生まれ、今日生まれれば奥さんと下の子は8月生まれ。

それに名前も・・・・・!

ボクも独立開院していたので休憩時間に、上の子を実家へ連れてゆき、
入院に必要な荷物を運ぶついでに奥さんの顔をみに病院へ。

『まだ子宮口の開きが足りないから、もしかしたら今日は無理かも?』

二回目のためか意外と落ち着いて午後からの診療を終えて、再び病院へ行ったのが午後10時30分過ぎ

準備室で奥さんと義母が仲良く会話を交わしながらその時を待っていましたが
なかなか陣痛が強くならず11時を過ぎる頃、お腹がペコペコなのを思い出し
一度自宅へ戻り食事をしてから病院へ戻ろうと思い
看護師さんに『何時ぐらいに戻ればいいですか?』と聞くと、

『お父さん、帰っちゃダメ、あと1時間もしたら陣痛が強くなり産まれるから!』

本当に1時間後、陣痛が強くなり、『お父さん、早く奥さんを分娩台の上に!』

言われるままに奥さんを寝かせ、外へ出ようとすると、先生が

『奥さんの隣について励まして下さい!』

『エッ・・・・?』横について・・・・???『ボク・・励ます・・・??』

これは立会出産ってのだ!!しかし、心構えの出来ていなかったボクはオドオドするだけ。

こんな時、男は何の役にもならないんだとつくづく思いました。

9月1日、午前0時50分、『オギャーッ』という元気な産声とともに
ちょっとハスキーボイスの次女が産まれました!

奥さんに『よく頑張ったね!』と声をかけロビーへ

無事産まれたことを実家へ電話を入れたところ電話の向こうで長女の歌声が、
この子も何かわからないけど緊張して眠れないみたい。

ボクが自宅について食事をしてベッドにもぐり込んだのが午前3時過ぎ!

無事に産まれたという、安堵感と疲れで落ちるように意識を失いました。

最初で最後の立会出産!

女性のたくましさと命の誕生の素晴らしさを再確認しました。

今では次女も5年生。
部活に大好きなピアノに、たまに勉強にはげんでいます。