12月23日付日経本紙1面トップ「消えゆく個人投資家」。記事の内容は大したことないけれど、驚いたのが記事に添えられていた「日本のシニア層の資産は20年間増えていない」と題された日米の高齢者の金融資産の比較。
具体的な数字は出ていませんが、グラフの目盛りを見ると、日本の70歳以上(2014年)は2000万円くらいで、米国の75歳以上(2016年)は6000万円近く。出所は米FRB、日銀統計から金融庁が作成とあり、ネットでググると、どうやらこれっぽい。
これの3ページの1.高齢社会の現状とリスク①日米比較に使われているグラフですね。
数字を出しておくと、
米国(75歳以上) 日本(70歳以上)
1998年 1952万円 (1ドル=130.89円) 1994年 2060万円
2007年 3126万円 (1ドル=117.77円) 2004年 2211万円
2016年 5870万円 (1ドル=108.84円) 2014年 2059万円
確かに2016年でおよそ6000万円になっていますね。ちなみに米国の65歳以上74歳未満は5896万円w
もちろん、これらは統計データを扱うときによく言われる「あくまで平均値」。金融資産10億円の人が1人で金融資産ゼロが19人いたら1人平均5000万円になるというやつ。本来なら実態に近い中央値が知りたい。
そこで、原本のSurvey of Consumer Finances(FRB)を見てみたんですが、残念ながら世代別の金融資産の中央値は出ていないようです。世代別の所得(Income)の中央値は出ているんですがね(見方が悪いのかもしれないので見つけた方は教えてください)。その所得などから推測すると、アメリカは日本以上に格差社会だから実際の中央値は3000万円くらいでしょうか(ちなみに日本の70歳以上の中央値は1500万円くらい)。(追記参照)。
Survey of Consumer Finances
(この資料で面白いのは、白人、スペイン系、黒人など人種別で平均所得なんかが出ているところ。アメリカらしいw)
もっとも、よく考えてみればそうなんですよ。米国株式(NYダウ)はこの20年でおよそ3倍になっているのに対して、日本の株式(日経平均株価)は最近上がったとはいえ1.5倍どまりだし、そもそも日本人の運用の大半が、ほとんど利息のつかない預貯金だからねえ。
もちろん、アメリカは日本ほど社会保障が充実してない(国民皆保険制度はないし、オバマケアでさえ廃止しようとしているし)ので、老後資産を余計に持っていないといけないのかもしれません。加えてインフレ率は日本より高いし。
それにしても我が国の3倍とはねえ。うーん。
追記 そのあともSCFの資料を見直していたら、アメリカの75歳以上が所有する金融資産の中央値が見つかりました。たぶん、これだと思うのですが。
SCF Chartbook 118ページ。
これによると、6万3000ドル。えーっと、日本円で685万6920円(1ドル=108.84円換算)ですね (´・ω・`)
どんだけ格差社会やねんwww