イタリア債務危機と経済ポピュリズム | 初心者大家のブログ

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2011年に2棟のマンションを買って2015年、55歳で早期リタイア。こよなく愛する福岡のこと、愚痴めいた経済コラムも書いてます。

イタリアの信用リスクが高まったことで株式市場が大揺れしてますね。

 

> イタリア国債のデフォルト(債務不履行)に備えた保証コストを示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドは、5年物が一時276ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)まで急上昇し、トルコやブラジル、南アフリカ共和国を上回った。この3カ国の格付けはいずれも投資不適格(ジャンク)級で、最もリスクの高い国のランキング上位をいつも競い合っている。

 

ブルームバーグ記事

 

もともと、2011、12年のギリシャ危機のときもイタリアやスペインへの飛び火が噂されてユーロ安円高・株安が急激に進みました。イタリアは日本とよく似ていて、長年の放漫財政から対GDP比の政府債務残高が131%とヨーロッパではギリシャに次いで多い国です。(ほかにも島国≒半島、中小企業が多い、低成長低インフレ、歴史が長いなどが似ていますね)。日本も対GDP比政府債務残高は世界で堂々1位ではありますが、個人資産などの国内資金余剰や対外純債務残高が大きくプラスのうえ、日銀が買い溜めて今のところなんとか金利上昇を抑えてはいます(個人的には、団塊世代の大半が後期高齢者になって家計貯蓄率がマイナスになる2025年くらいまでには上昇すると予想してます)。それに対してイタリアは国内資金余剰はわずかだし、対外純資産はマイナス、さらに銀行の不良債権比率が高いのも厄介です。

 

欧州中央銀行がマイナス金利政策を取ることでなんとかギリシャ債務危機をやり過ごしましたが、その低金利政策が五つ星運動などのポピュリストによる放漫的な財政政策の主張を生むという皮肉。私は1997年の日本の金融危機のときもリーマン・ショックの時も金融機関周辺の現場にいたからよくわかるんですが、ほんと人間って「平和=金融平時」のときは「戦時=金融危機」のことを想像できないんですよね。

 

以前も書きましたが、ポピュリズムは政治の世界だけでなく、経済にもあるのですよ。代表的なのはこんな人とかこんな人であることは何回も書きました。もし彼らの理論が正しければもっといい大学の教授なり、政治ポストに就いているでしょうに( ´(ェ)`) 国会で平気で嘘つく官僚が不起訴になる世の中なんですよ。そんな時代でも重用されないのは何でか考えなくてもわかるだろうに。

 

ポピュリズム経済学

 

ITが普及して以降、在庫循環の波が緩やかになったこともあって、景気後退に陥るのはたいていがこうした金融危機であります(97年米S&L破たん、2002年ITバブル崩壊、2008年リーマン・ショックなど)。

 

まだアメリカさんの景気が落ち込んでいないのが救いですが、どうなりますかね。