その日、私はちょっと緊張していました。コスモス

 

 

家の設備の検査の方が来ることになっていて、

必要なことだとわかっていても、

やはり知らない方が来る時間は、いつもの時間とは違います。

「人当たりのいい、笑顔の方だといいな」

 

 

ところが、

いらしたのは真面目そうな男性で、さらに私は緊張、

私の笑顔の挨拶もなんだか空振りで、

そのままその方は作業に入られました。

そして、何となくですが、

その作業はお疲れな感じ(?)の動きで、

私の気持ちのトーンも一緒に下がってきて…。

 

 

その時、

「あ、"目の前に見えるものは私の中にあるもの"だった!」

と気づきました。

 

 

私こそ、笑顔がこわばっていたような気がするし、

心からのものじゃなかったな。

知らない人と過ごす時間をちょっと窮屈だと感じていたし、

私もこのところ、体が疲れ気味だった。

 

まさに、目の前の方は"私の現れ"。

鏡。

この方も、知らない家を訪問するのが、

仕事とはいえ苦手かもしれない…。

 

それに。

 

愛想がいい人がよくて、

愛想が悪い人はよくない、

まだそんな判断を私は握っているんだな。

 

愛想がいい人とだけ笑い合って、

そうじゃない人にはそれなりにでいい…、

そんな自分はスッキリしないな。

たとえお相手がどんな反応をしても、いつも同じ自分でありたいな。

自分の心があたたかくなるような、

納得のあり方。

 

 

そう気を取り直して、

深呼吸して晴れ

 

 

クールに見えても、

それはお相手のすばらしい個性で、

お相手の中にはびっくりするくらいの輝いているパワーがあるんだ!

 

 

と、視点を変えてみました。

とにかくそう思うようにしてみたら、

少しずつ落ち着いてきました。

偶然ではないご縁で、来て下さった方なんだ。クローバー

 

 

そして、

この朝洗面台の鏡を見た時のことを思い出しました。

お相手がいらっしゃる前にマスクをして、

鏡の中の自分の笑顔をチェックしてみたのです。

目の表情だけでも、笑ってるかどうか、

結構わかるもんだなあ、と驚きました。

私が笑うと目尻に見事な笑い皺が!

(でも、大好きな叔母がいつもそんな笑い方をするので、

笑い皺もいいもんだなあと思っています。)

 

笑い皺プラス、心がこもれば、

相手にも伝わるかな?クローバー

 

 

作業が済み、報告を受ける時には、

目と心から、の笑顔を心掛けて、

お話をしてみました。

 

 

修理した方がいい箇所を、

撮影した写真を見せながら説明して下さったので、

よいしょではなく、

「わかりやすいです、助かります。」

とお礼をお伝えしたら、

空気がやわらかく、変わりました。

他にも、私が疑問に思ったことを質問していくうちに、

さらにやわらかくなってきて、

その方の人間らしさというのでしょうか、

そんな感じのものに触れてきました。

 

 

そうしてお帰りになる際、

「よかったら一休みにどうぞ」

と、飲み物をお渡ししたら、

少年のような笑顔になったのでびっくり。

 

 

前に同じ検査に来て下さった方が、

私が検査料金をお支払いする時に、

「高くてすみませんー」と申し訳なさそうに言ってたので、

多分、そういうお声をいただいてしまう日もあって、

せっかく一生懸命人々の生活を守る仕事をしてるのに…と

残念に思う日もあったかもしれない。

その方の技術、資格がなければ、できない検査。

 

 

「本当にいいんですか?」

とはにかむように笑って帰られた後には、

やさしいものが私の中に残されました。

このお客様のおかげで、

心あたたまる1日になったのです。

 

 

コスモス コスモス コスモス

 

 

誰でも大切に扱われたいし、

敬意を払ってもらえたら、嬉しい。

私だったら、どんな風に接してもらったら

嬉しいかな?

 

 

状況にのまれそうになって、

ぐーっと気分が下がる時、

「いやいや、目の前のこの方は私。」

はっと気づける自分でありたいなあと思います。