私の元職場の責任者は、
20代後半の女性。

若くて、周りに気遣いができて、
丁寧でかつ、テキパキと働く、
とても優秀な人。

採用の面接で、
対応してくれたのが彼女で、

とても印象が良かったので、
私はこの会社で働きたいと思いました。

そこで採用されて、
働き始めた後、

他の人から、

彼女の一押しで、
私が採用されたことを聞かされました。

50代の私を、社員雇用してくれたことに、
感謝しました。

私が入社して、しばらくたつと、
彼女が社長からモラハラを受けていることに、
気がつきました。

そして、彼女から、
話を聞いてるうちに、
相談に乗るようになりました。

大学卒業後に初めて勤めた職場で、
人の入れ替わりが激しく、

ずっと責任者の補佐役だった彼女に、

ついに、

他に適任者がいないということで、

20代半ばで、責任者の立場を押し付けられて、
しまいました。

そして、
私が入社する2ヶ月前に、

プライベートでも、仕事でも、
うまく行かなかった彼女は、

精神のバランスを崩して、
心療内科に通院。

社長に、辞める旨を伝えましたが、
却下されました。

君は、ここを辞めたら、
他でやっていけないよ、

そう、社長に言われたそうです。

若くてピュアな精神の彼女は、
社長に洗脳されて、

ああ、私は他ではやっていけないから、
ここでやっていくしかないんだと、
思い込んでいました。

彼女の間違った思い込みや、
自己評価が低いところを、

なんとか変えてもらえるように、
私は常に、

いかに彼女が
仕事もできる優秀な人で、
どこでも通用することを、
言い続けました。

ネガティブに考える思考癖を手放して、
ポジティブな考えを受け入れてもらえるように、

粘り強く、言い続けました。

少しずつ、社長の言動が気にならなくなってきた彼女に、
プライベートで、
新しい出逢いがありました。

そこから、彼女のプライベートは活性化されて、

明るくなっていき、
社長のモラハラを前ほど、気にすることが、
なくなっていきました。

そして、入籍の話が出て、
引っ越しすることで、

職場から遠くなり、
通勤時間が1時間半ほどになる見込みで、

それでも、彼女はやっていこうと思っていました。

仕事を辞めることは、選択肢になかったのです。

以前のように、
どんなに辞めたくても、

辞めれるとは、思ってはいなかったからです。

私は、仕事をしっかり頑張ってしまう彼女が、
仕事に追われ、長い通勤時間で疲れ果て、
せっかくの新しい生活に悪い影響が出るのではないかと、
気になりました。

仕事を本気で辞めたいなら、

もう、結婚を機に今、辞めるしか他はないよ、と

彼女に言いました。

彼女は、腑に落ちたらしく、
決断しました。

私も驚きましたが、

その2日後には、辞表を書いて、
社長に辞める旨を伝えました。

いきなり、
責任者が辞めることで、
社長は大パニック。

でも、結婚退社なら、
受け入れないといけないことは、
わかったようで、

彼女の辞表が受理されました。

その事で私はいろいろと思うことが、
ありました。

私の人生においても、
何度も、辞めるという経験をしてきました。

仕事に限らず、

部活を辞める、

習い事を辞める、

結婚生活を辞める、

その都度、勇気がいることでした。

仕事を辞めることに関して、
辞めさせてもらえないケースがあるのを、
初めて知りました。

彼女が前回
仕事を辞めれなかったのは、

まだ仕事に対する熱意と未練があったのだと、
思いました。

今は、それらをキッパリ切り離して、
次の仕事を見つけました。

辞める勇気って、必要ですよね。