輪島太鼓見聞録2019 | 法被衣(はっぴい)の和太鼓な生活

法被衣(はっぴい)の和太鼓な生活

和太鼓その他のあれやこれやを綴ってまいります。

石川県太鼓連盟主催の太鼓コンクールに駆け足で行ってまいりました。

会場は輪島市文化会館大ホール、輪島駅に隣接しております。

輪島駅は元駅で、廃線に伴い道の駅として再開発されたもの、輪島駅という名前はそのまま残されています。今は補修中で仮囲いのテントに囲まれておりました。

 

日本太鼓ジュニアコンクールは午前中、シニアコンクールは午後、一日たっぷり太鼓の音に浸れます。

 

お偉いさん達の挨拶の後、いよいよコンクール開始、今回は21組の団体の競演です。

 

コンクールの審査基準の目安がプログラムにも明記されていて演奏の参考になるのでとてもよいと思います。

 

コンクールではコンクールなりの演奏の形式があるように思います。

各団体の気付いた点を列記してみます。

 

曲の起承転結が欲しい。

動きはバッチリ揃える。揃える事が難しい場合はあえてずらす。一斉に動きを揃えるのはそれだけの練習を積む必要があるが(採点のポイントにもなる)一糸乱れぬ動きではなく次々と追いかけるように動く演出とすると難易度が下がる。

 

唄入りの太鼓は郷土色の演出がしやすく、地域の特徴も出る。

桶太鼓と宮太鼓の使い分けはきちんとすべき。

 

パートごとの掛け合いは心地よい。

 

同じフレーズを各楽器で使いまわすのは演者の負担が減り、演出効果も望めるうまい工夫。

 

ろう学校の演奏では規則的に体を上下させて同じテンポを把握していた。こういう手法はとても参考になります。

 

掛け合い等はわかりやすい方がよい。太鼓を二個打ちする意味を明確に伝わるようにした方がよい。演出のための演出になりがち。

 

曲が一本調子で冗長に聞こえる。わかりやすい変化を。

演奏中疑問に思ったこと、大太鼓の両面で同じフレーズを打つ場合、音を消しあうという事はないのだろうか?

 

すべての太鼓がユニゾンで打たれるのは迫力こそあれ単調になりやすく、飽きる。

 

能登の太鼓は太鼓3台で9人の打ち手でもOK。十分楽しめ、見応えのある演奏が可能。

 

同じ太鼓でバチを変える奏法は音の質を変える事が出来、バリエーションを広げる上で参考になる。

 

残念ながら曲名と曲想が結びつかない。

 

掛け声があって元気なのはよいが、その掛け声が多過ぎて邪魔になる場合も。声も楽器としてうまく使うべき。

 

太鼓1台でも魅せる太鼓が演奏できる。石川の太鼓に御陣乗太鼓の流れを感じます。

 

曲入りが複層的、緩急のある演奏、バチを使い分けて音の変化を際立たせている、盛り上げる声の使い方、など。

 

全体的に曲構成がが単調なものが多いと感じました。

同じフレーズを繰り返すにしても何らかの変化が欲しいところです。

 

しかしながら21団体の演奏、転換がスムース&スピーディーでそれだけで演奏側と運営側のレベルの高さを感じます。すごい。

 

大会が終わってから優勝チームの発表でしたが最終バスの時間の関係上そこまでいられなかったため、優勝チームがどこかはわかりませんが、石川県の太鼓の層の厚さと郷土ならではの太鼓を感じる事ができ来訪してよかったと思いました。

 

さて、午前のジュニアコンクールが終わり、ランチの後はシニアコンクールです。