K大学病院に到着。

緊急外来の処置室のベッドで点滴を投与されながら、問診を受けます。
横になっていても羊水が漏れ出てくるので、絶対安静です。

新しい主治医のM先生。ハキハキ物言うタイプの女医さんで、はじめはキツイ印象を受けましたが、きちんと症状の説明をしてくれました。

"「B郡溶連菌」という菌に感染したことが原因で破水した可能性が高い。まだその菌が子宮内にいるため、赤ちゃんにも感染する可能性が高く(すでに感染しているかもしれない)、そうなると赤ちゃんの身が危険である。

しかしながら赤ちゃんはまだ24週で、肺など未発達の機能が多いから、出来るだけお腹の中で育ててあげたい。しかし、羊水が1/3まで減ってしまっているので、このままだと赤ちゃんが苦しい。減ってしまった羊水は増やすことができない。破水に伴う陣痛をいつまで抑えられるか分からない、陣痛を抑えられなければ、出産するしかない。

赤ちゃんのことを考えると、まだ未熟でリスクもあるが、出産して、保育器の中で然るべき治療をしたほうがいいかもしれない。しかし、前述の通り、1日でも長くお腹の中で育てた方が発育上は良いから、しばらく様子を見ていくことにするが、1週間以内に帝王切開(超未熟児のため、自然分娩より帝王切開の方が児に負担がかからない)で出産することになると思ってください。"

そう、わたしは、破水したことにより陣痛がはじまっていたのです。
Nクリックでも投与された点滴「ウメテリン」は、陣痛の張り止めのお薬でした。

陣痛は、通常は大きく痛みを伴うものなのだろうけど、わたしの陣痛は、痛みを伴わなかった・・。
減ってしまった羊水も増やせないなんて・・。
もっと早くに病院に行っていたら・・・。

そして「B郡溶連菌」とは・・?
はじめて聞いた名前でした。

実は妊娠3ヶ月頃からカンジダによる膣の痒みに悩まされていました。
カンジタは10代の頃から、疲れて抵抗力が落ちるとたびたび発症していて、そのたびに塗り薬で治療していました。そのため妊娠中に膣が痒くなった時もおそらくカンジタだろうと思ったし、前Nクリニックでもカンジダとの診断で塗り薬を処方してもらい、大事だと捉えていませんでした。

処方された直後は一旦症状が治まったのですが、その後は痒みがぶり返し、破水直前まで痒みがありました。しかし、前Nクリニックの先生は少し相談しづらい雰囲気で、再び症状を訴えることはありませんでした。

そして破水・・・

M先生からは、現状カンジダが検出されなかったことを聞かされます。

そもそもの膣の痒みはカンジダの症状だったのか?
その「B郡溶連菌」の症状ではなかったのか?

今となってはわかりません・・。

しかし、自分がきちんと痒みを訴えていれば、防げていたのかもしれません。何よりも赤ちゃんの命を第一に考えていたら、おのずと行動や判断が変わってきたと思います。

激しく後悔し、自分を責めました。

何か異変を感じたり、引っかかることがあったら、医師に相談すべきだし、相談できる信頼関係を築くべきでした。やるべきことをやったのと、やらないのでは、たとえ結果が同じだったとしても全然違います。これは世の中の妊婦さんに伝えたいことの一つです。

減ってしまった羊水の中で、きっと坊やは苦しい思いをしているに違いない。
そう考えると、可哀想で仕方ありませんでした。

処置室では、主人も付き添ってくれました。自分ではあまり自覚がなかったのですが、38度超えの高熱があったようで、張り止の点滴と一緒に解熱剤の点滴も投与されていたようでした。

高熱のせいか、解熱剤の点滴が原因なのか、しばらく体中大きな震えが止まらなくなり、ものすごくしんどかったです。後から主人に聞いた話だと、震えが酷く、大事に至るのではないかと思ったほどだそうです。

後から聞いたのですが、この高熱の原因は「B郡溶連菌」によるものだったようです。

熱が少し下がり体も若干楽になり、23時頃に主人が帰りました。
そして産科病棟の中でも、緊急性の高い妊婦さんが入院している棟に入院しました。

その日の夜はなかなか寝付けませんでした。
多少熱は下がったものの、引き続き熱があり、ひどく大量の汗をかきました。
汗をかいたことで喉が渇くので水分を摂りましたが、トイレに行くと羊水が漏れるので、禁止されました。しかしベッドで横になっているだけでも、引き続き羊水は漏れ出ています。

坊やが生きているのか不安で、看護師さんに心拍を確認できる機械を装着してもらいました。心拍が確認できたことで、少し安心できました。

一人きりのベッドで、坊やに対する愛情、不安な気持ち・・それらのあふれる思いの行き場がなく、携帯に書き留めたりもしました。

お腹の中で育ててあげられなくてごめんね。
生まれてきたら、たくさん一緒にいてあげるからね。
坊やのことを心から愛してるよ。

お腹を撫でながら、坊やにたくさん語りかけました。

この時は、万が一のことも考えていました。
そして、少し眠りにつきます。