転職活動ののち・・・
いろいろ考えましたが、派遣社員で経理のお仕事に落ち着きました。
正社員で電車で30分のところで、とても社風も合う素敵な会社との面接が進んだのですが、途中で、勤務時間がけっこう遅いスタート遅い終了になることは固く、残業はほぼないなどすごく悩みましたが、そこは途中で辞退しました。
そしてその時に、「是非に」と言ってくださり、私の転職活動の行方を待っていてくださった企業さんのところに、ありがたくお受けしたいとお返事しました。
理由は、やっぱり子どもの時間です。
今年小6で、いちおうは中学受験をするという流れの中で、小学校卒業まであと8ヶ月、転職活動をするタイミングとしてはちょっと早かったなと思いました。
私の希望は、月次決算と年次決算ができるところ。
地元の経理といえば、ほとんどが経費精算レベルなので、簿記2級必須で月次年次決算できる人募集みたいなものが、正社員でも派遣でもほとんどありません。
大きな製造業の企業さんが多い市なのですが、月次決算は東京や大阪の本社が集約してやっているので、地元の事業所ではそこまでの経理レベルは求められていません。
それもあって、決算業務をするとなると、電車で30分のところまで出ていってやっと決算業務のできる経理がちらほら増えてきます。
それが今回、市内に決算業務の案件が派遣で出てきました。
正直、転職活動を続けて正社員の職を見つけるのがいいか、派遣がいいか悩みました。
じっくり正社員の仕事を探すのもいいかもしれませんが、でも今はやはり子どもに時間をとられますし、その状況で正社員を見つけるのは難しいなと感じたのが理由です。
他の職種なら違うかもしれませんが、経理の場合は残業が当たり前の職種なので、正社員のお仕事だと必ず残業が伴ってしまい、子育て中に経理の正社員はなかなかハードルが高い…。
だったら、あともう1回、派遣をしようと。
その派遣が終わった時には、もう年齢的に正社員の就職活動はほとんどないだろうし困難を極めるのだということも承知した上で、それでも「今ではない」と判断しました。
派遣で一人経理
業界的には製造業の大企業で、そこの営業所でもある販社の経理です。
上場プライムであれば売上高の大きい企業に入りますが、非上場。
販社で、一人経理として入りました。
一人経理はけっこう魅力的なのですが、前任者さんが全く経理業務ができず、前々任者さんの引き継ぎも途切れている状態だと言われました。
さらには初出勤の日は、前任者の方が既に退社済み。
何もないところに飛びこみました。
前々任者さんのマニュアルもほとんどありません。
親グループ内の支社の経理の方が、マニュアルを作ってくれていましたが、でも一人経理の全体像からすると、ほんの一部。
でもその一部がとてもしっかりしていて、まずはそこにしがみつくように業務を開始しました。
経理を仕訳で考えれば全国どこも同じとはいえ、その会社の営業や顧客やシステムで業務内容は全く変わるので、経理業務にマニュアルがないのは絶望的です。
しかもデスク右側の袖机には、前任者さんが何もできなかった闇鍋ファイルの山が。
闇鍋をつつき、掘り起こし、分類するだけで2日はいろいろ片付けました。
片付けながら、会社の業務の流れを推測して、「こんな風に処理するのかな」と見通しをたてて毎日推測しながら仕事をしていました。
経理フォルダにはExcelファイルがたくさんあったので、なんだけっこう大丈夫かもと思っていたのも束の間、実際は前々任者さんが作ったものではなく、誰かが作った何かっぽいものばかり。
営業と共有していたExcelは、法人のお客さんの希望(締め日や請求書の発行の仕方とか)は書かれているものの、関数もフィルターもない、ただの文字情報のみ。
ファイルの中身は新しい情報が書き足されているだけで、不要なのか必要なのかも不明。
請求書の発行業務は、手探りでとにかく乗りきりました。
で、そんな状態なのに、基幹システムはSAPという。
SAPに慣れるのにも時間がかりました。
SAPがコードで動いているのも知っていましたが、想像以上で慣れるのもハードでした。
自分の欲しい債務データすら辿り着けないとか。
そして月末の請求書の発行を終えたところで、SAPという素晴らしいシステムがありながら、帳票出力システムのみで、発行業務を支援するシステムもないという悲劇。
API連携して業務を軽減するシステムは世の中に山ほどあるというのに、今あるシステムは、仕訳をエントリーするシステムと、あとは出力するシステムぐらい。
完全に、紙。
紙で請求書を受領して発行している世界でした。
先週、1回発狂しました。
ちょうど派遣元の営業さんが「2週間たちますけれどいかがですか」って電話があったので、その時に、辞めないけれど今メンタルは限界ですって訴えました。
派遣なので指示命令の上司がつくんですが、その方は経理ではないので「自分はちょっとわからないのですが」と、指示は全くありません。
上の(親とか親の支社とかの)経理の人には、どんどん質問するしかないのですが、そもそも「どこまで私は今月の締めをやれば大丈夫か」も示されず。
派遣は基本的に受け身です。
でもこのまま受け身では仕事は何もできないと思って、思いきって動きました。
上長には「この会社の取引の全容、売上と仕入のスタートから支払いいまでの業務がどう動いているのかを説明してください」と直談判しました。
上の経理の人にも、マニュアルがないからとはいえ、「私が月次でする範囲を明確に指示してください」と、ここもはっきりとさせました。
そしたら、ちょっとは気が楽になったというか。
泣き言を言った翌日には、派遣元の営業さんにも「なんとかなるようにしたので、とりあえず派遣先さんへのフォローは不要です」って、言えるようにまでなりました。
電子帳簿保存法もインボイスも何も整備されていない状況で、いちおう上の経理の人に許可をもらいながらも、自分なりにファイルで仕分けながらPDFを入れていくとか。
経理フォルダにある山のようなExcelを、23年以前のものはいったんまとめて24年の動いているファイルだけに絞るとか。
営業と共有のExcelファイルを整理整頓し始めるとか。
なんかいろんなことに手をつけ始めました。
自分が派遣だと思って待っていても誰も何も助けてくれない状況です。
立場は派遣だけれど、やることは正社員と思って、立場を越えすぎないように気をつけつつ業務に突っ込んで動かしていくように気持ちを切り替えました。
ありがたいことに、私を引っ張ってくれた上長は、指示は何も出せずとも私のことを肯定してくれるので、もう少し全体像が見えてきたら、少しずつ提案して紙の地獄から抜けたい。
提案できるものなのか、そんなこと親ががっちり固めていてできないのか、まだうっすらとしか分からないけれど、このままでは毎日の仕事が重すぎると感じています。
それに、一人経理は本当に良くない。
私がお金を誤魔化そうと思えばできるような、ガバナンスも何もない状況はよくないし、銀行のオンラインバンクだってミスったら一発アウトだものね。
せめて、銀行の支払いに関してはWチェック体制がほしいし。
私にしか業務がわからないのでは、また私が何かあって急に抜けたら、それこそまた「誰も経理がわからない会社」に戻ってしまうから。
仕事が一人の人間に完全にくっついてしまうのは、良くない。
だから毎日、いろいろと教えていただものは同時に、マニュアルも並行して作っています。
毎日めちゃくちゃ疲れています。
いちおう、上長は「ゆくゆくは二人体制にするね」と言ってくれました。
私が、ガバナンス的に良くないですと訴えたのも響いたようですし、何より今回、体制を整えずに経理の空白期間ができたことは、おそらくかなり痛手だったはずです。
ありがたいです〜。
あとは、何かしら連携するシステムも考えてもらわないと。
特に請求書の発行業務は重すぎる。
来月からはExcelの中の顧客情報を整理して確認しやすくしたとしても、手動でメール・FAX・郵送するなんて、もうそういう時代ではない。
三桁の請求書の件数を、お昼までにさばくのは、無理です。
まだまだ事務所内でやらなきゃいけないこと、できることは、た〜っくさんあると思うので、私の手の届くところまでではありますが、なんとか改善していきたいなと思います。
会社のためであり、そして自分のためでもあるので。
まずは仕事を頑張りつつ。
でも勉強しないと〜(涙