この数週間、短かったですが就活をしていた時のことについて。
方針としては「勉強」に戻りましたが、その時に感じたことを残したいと思います。
*戻ったことは前回の記事に書きました。
以前にも少し書きましたが、派遣社員はコロナ禍以前と同じ感触に戻っており、問い合わせをしたらレスポンスがある、案件に申し込みをしたらレスポンスがある、という状況に。
実際に、ある外資のメーカーさんの話が進んだのですが、途中でこちらが辞退してしまったので、心苦しかったです。
(でも派遣の世界では決まる前に人が動くのはよくある話で非礼にはなりません。)
そもそも派遣に手を伸ばしたのも「とりあえず働いて勉強するなら派遣」という考えがあったからですが、夫と何度も話す中で、夫婦の間でも気持ちが変わっていきました。
現実的に「正規雇用で動かないともう既に手遅れ」という状況があるわけで、やはりここは方針を「会計事務所や税理士事務所」という方向に変えようと考えが移りました。
方針変更の結果よかったこともあり、例えば、普段ではお話しできない方とお話ができましたし、そのことで自分の見方がかなり変わりましたし、あとは一口に会計事務所といっても多種多様であることを知ることもできました。
面接
この経過の中で、とある税理士法人にエントリーをしまして、公認会計士で税理士法人を開業されている先生の面接を受ける機会を得ることができました。
結論から先に書くと不採用になりましたが、とても実りのある、そして先生のご助言をいろいろといただくことのできた、非常にありがたい面接となったことを、感謝の気持ちを添えて少しお話ししたいと思います。
とはいっても、具体的には先生とのやりとりは書けませんので、先生のご助言をいただいた結果、私が感じたこと分かったことについてのみ書こうと思います。
まず、会計士の先生は私のことを否定することなく、事務所の希望とその背景を明確に示され、私の状況と事務所の希望がマッチしていないことを暗黙のうちに教えてくださいました。
その上で、たいへんありがたいことに、先生からは、私の住む地域の方で優良な事務所を探す方策をいろいろとアドバイスをいただくことができました。
そのアドバイスに沿っていろいろとWebから調べてみました。
なお、これまでの私の調べ方というのは、求人情報から会計事務所のHPをたどるというやり方でしたが、今回は、会計事務所の特徴で検索をかけて探すということに焦点をうつしました。
まず、会計事務所といっても大きくいくつかの体制に分類できるんだということを知りました。
記帳代行をメインにしているところ、記帳代行はせず記帳を企業側が行いその指導を行うことをメインにしているところ、事業承継や相続などを得意としているところ、経営改善を得意としているところ、などが大きな分類になると感じました。
私の本音を言いますと、記帳業務を主軸にしている会計事務所で、記帳のお仕事をするのは、私の希望とはズレてしまいます。
簿記2級の資格を前提にすれば、記帳業務が一番ヒットすると思うのですが、一時的なパートならいいのですが、正規で長期に渡って記帳をするのは少し違うなと思うのです。
次に、企業側にシステムやソフトを導入して記帳は企業側が行う場合、月に1回から数回、巡回監査という形で、企業の記帳指導に出向くことをメインにしている会計事務所もあります。
以前、求人のお仕事情報に「巡回監査」とあるものは何だろうと思っていたのですが、これがまさにTKCグループに入っている会計事務所が取り入れている企業支援方法です。
巡回監査をすることで、企業に即時性を持って会計を把握してもらい、企業が会計数値としっかり向き合うことで黒字決算を実現していこうというものになります。
実はお恥ずかしいことですが、私はこれを初めて知りました。
他には、創業オーナーが代替わりすることによる、事業承継と相続のアドバイスや相続税を業務に取り入れている会計事務所もありました。
これを得意としているところはあまり多くはなく、でも相続ができると会計事務所として大きな強みになるようで、それもあって税理士試験の相続税法合格者は歓迎されやすいと聞きます。
小規模ながらしっかり事務所が回っている印象のあるところは、相続税もできますという謳い文句を見かけることが多いなということも感じました。
最後に、経営改革や経営を強くしたいと思う経営者に会計的にアドバイスをする会計事務所は、全体から見ると少ないように感じました。
事務所の主軸の業務に巡回監査をしつつ、さらに経営改革計画も作れるますよというのは決して多くはありません。
そこまで振り切る会計事務所さんは、人員もそれなりに多く、巡回監査、経営改革計画、固定資産など事業承継、などなど内容的にも体力的にも充実している強い会計事務所だなという印象を受けました。
そういった中から、いくつかの会計事務所の求人を確認したり問い合わせてみたりしたのですが、人離れの少なそうな事務所はそもそも募集をしていなかったり、合格後も継続して勤務してくれる人を求めているなど、なかなか「次」にとなる事務所さんはありませんでした。
事務所の事情
まず、私の希望を整理してみると、合格したらどこかしらの監査法人に勤務したいですし、もうこの年齢なので中小になると思いますが、やはり監査というものは一度はしっかりと業務として身につけたいなと思っています。
そうなると、会計事務所は「合格まで」となってしまうため、パートでと思っても、こちらの都合ばかりが出てしまうので、これも一つのハードルになりました。
税理士試験の場合だと、たとえ科目合格でも事務所内で歓迎される場合が多く、さらに官報合格して税理士が二人となれば、事務所を税理士法人として法人化できるようになるのでウエルカムという事務所はあります。
逆に、会計士試験は合格か不合格かしかないので、逆に言えば合格したら会計事務所にいるよりも、一度は外に出て監査を経験することに意味が出てきます。
そういう意味で、会計事務所や税理士法人の求人を探しても、税理士試験科目の受験生は受け入れているけど会計士受験生はちょっと考えさせて欲しいという事務所もありますし、会計士受験生さんもウエルカムだけど、前提に合格後もその事務所で継続してほしいという希望は普通に聞こえてきます。
それに会計事務所の立場とすれば、雇用して数年は人材への投資が先行するでしょうから、ある程度の年数を働いてくれないと、人件費の投資の回収ができないという台所事情もあります。
税理士受験生は長く働いてくれることが多い反面、会計士受験生は合格すれば離れる可能性があると思うと、なかなか「いいよ」とは言いづらいという本音があるようです。
じゃあ私はどうなのか、というと。
正規雇用という安定した地位を確立した上で、会計士試験ルートで受験勉強を続行し、合格した後もその事務所で働き続けるということも、一つの考え方です。
でも・・・
雇用主か被雇用か
ただ、私は「会計事務所がしたいから受験をする」人ではないのです。
私は「監査がしたい」から会計士受験にこだわっているという気持ちが強いです。
しかも、監査業務を経験した後には、独立して起業したいものがあります。
さらに起業とともに、会計事務所も考えているのですが、これは税理士による会計事務所というよりは、経営や会計周りの会計事務所です。
製造業のアドバイザリー。
夫が品質保証や品質管理や工場長、あとは中国での総経理(有限公司の代表権のある人)で清算もやってきた人なので、「現場がわかる人だけど経理がわからない人」の夫と、「現場はわからない人だけど会計のわかる人」の私で、夫婦でタッグを組みたいと思ってます。
安直かもしれませんが、夫と働いて夫の良さを出して仕事をしてもらいたい。
夫はJISの認証手続きやら、最近は環境だのISOの監査も受ける側として経験していますし、中小規模の工場で、カイゼンなど含めてやれることは幾つかあるなと見込んでいます。
実はポロッと、今回面接をしてくださった会計士の先生に、「こういう事務所を考えています」という話しをしてしまって、それに先生は嫌な顔をせずに、この事務所の「難しいポイント」をご指摘くださりアドバイスがあったので、たいへんありがたかったです。
そのご指摘に私は気づいていなかったので、それは大いに今後のテーマとしていかなければと参考にさせていただいたています。
ちなみに、普通は採用面接で開業を考えているなどという暴言はあり得ないことなのですが、中盤から既に先生の意図、つまり事務所側が希望している人材と私がミスマッチであることは伝わっていて、徐々に受験生からの質問にお答えくださる空気になっていったので。
その空気を許してくださり、いろいろなお話に有益なアドバイスをたくさんくださった先生には、本当に感謝してもしきれません。
結果、先生とお話ししたことで、「自分で事務所をしたい」という気持ちに素直に向き合えるようになりました。
もっと言えば、被雇用者としてよりは、雇用主として「やりたいことをやる自分」に素直に向き合おうと、そう思えるようになりました。
正直、雇用主の立場に戻りたいという気持ちはずっとありました。
でも受験生でいる間、その気持ちに蓋をしてきました。なぜかはわかりませんが。
当然心の中では雇用主という立場に魅力を感じていて、その発端は公文の開業が経験としてあるのはわかっていました。
でも、自分が事業主としてどうあったかということを正面から向き合うのは、とてつもなく照れくさくて、なんとなく見て見ぬふりをしてきていました。
ただ、公文の先生をしていた時、保護者の方から「天職だよ」と言ってくださった方が2名ほどいらして印象に残っています。
とはいえ私はそれを聞いてピンとこなかったんです。
私は「勉強を教える先生」という気持ちは微塵もなかったですし、そういう意味の「天職」だったようには思えません。
公文は「子どもを導く」ことはしますが、「教える」ことはできるだけ控えます。
教室というのは「チームで子どもを支える場」だと思ってやっていたので。
ただ最近になって、気持ちを整理していく中で、私は一人で仕事をするよりもチームで仕事をしたいということ、それとチームで「誰かの背中を支え勇気づけ前に押していく仕事がしたい」という気持ちが根本的にあるんだということに気づきました。
そういう意味では、公文の教室は私にとって「天職」だったなあと。
自分がチームの顔となって、自分の裁量で判断して、自分の責任の中で物事を進め、でも独りじゃなくてチームで、チームが私の欠点を指摘してくれて、欠けているものをお互いが補い合い、そういう「顔は私だけど実行力はチームにある」というチーム戦がしたいんです。
(っていうね、大風呂敷はいくらでも広げられる。)
それに対して、起業したいものはもうちょっと組織的なもので、そこは未知で、そっちの方は今までの経験から頭ひとつ成長しないと達成できないものなんだけど。
会計事務所の方は、チーム戦で、誰に何の役が合っているかとか考えながら実行部隊を編成していく気持ちで妄想を膨らませています。
よく、「人から指示されたくないから起業したい、経営者になりたい」っていう人を見かけるんだけれど、すごくよくわかるけれど、私はそれとはちょっと違うかな。
人から指示されることに、私は全く抵抗感がないので。
正直、派遣で仕事していた時も楽しかったし、人から指示されるのは楽でしたし。
判断が求められるならちゃんと自分の尻拭い(責任)はしたいし、責任がなく判断が求められないのなら、判断と責任を負っている人のために全力でサポートすればいいのだから。
以前には、26歳くらいの女の子が派遣先のチームのトップで、その方から私は仕事を教わり、指示をいただきながら仕事をしていたこともあって、年下だから嫌ということを微塵も感じずに楽しく仕事ができていました。
いや、それはその方がとても優秀で、人となりが優れていたから私も楽しくお仕事させていただけたのだと思う。
それでも自分の仕事を年下の方が指示をしてこようが、誰が指示をしてこようが、それ自体が嫌だということを感じることは、これまでほとんどなかったので。
たまに、カッチーンとくるものの言い方をしてくる人がいるけれど、それは年下だからでもなく年上であろうが、嫌な言い方をされたらそれはそれ。
こちらは大人になって、上手く流して仕事をこなすぐらいの度量はあります。
もちろん監査法人に入れば、年下の方から指示が出るでしょう。
でも年下の方が上司だという点に抵抗感はないですし、個人的にはチームとして歯車で仕事をやるのだから、結果的に、チームに成果がでればそれが自分の喜びと感じられるのは過去の経験からもあったので、たぶん本当に私は「チーム戦」が好きなんです、きっと。
それに、若い人と仕事ができるなんて最高です。
新しい考え方を知る機会が増えるし、ワクワクしてしまいます。
でもどうせなら、監査法人にいる間でも、もしくは独立して、自分の裁量で自分のチームを作って仕事をしたいなという気持ちは強いです。
という自分のコアの部分の気持ちが明確になりました。
書きすぎた。
以上です。