短大を卒業し、働き始めた。
短大時代に知り合った彼との結婚も決まって、2人で住み始めた。
ある日、実家に帰ると・・・父は・・・また、ワンカップのお酒を飲んで・・・
目は・・・完全に座っていた。
父が許せなかった。
なさけなかった。
とても・・・悲しかった。
私は飲んでないときの父は、大好きだった。
わたしとの会話を合わせるために、TV番組をチェックしたり・・・
20歳の誕生日には・・・母には内緒で、高価なガーネットの指輪をプレゼントしてくれた。
無口な父だったが・・・やさしかった。
だから・・・余計に・・・辛かった。
「なんで??なんでよ!!!」
「じゃかましい!!!嫌なら出て行け~!!!」
いつものように・・・叫んでいた。
初めて・・・許せない・・・そう思った。
そして・・・すべてのお酒を、隠した。
それからわたしは、一切父と口をきかなかった。
母から・・・
「今度のクリスマスは、お休みが取れたよ。親子三人の始めてのクリスマス・・・しよう」
と、言われた。
当時の彼は、仕事だった。
私は・・・これを機会に・・・父と仲直りしようと思った。
「お父さんも楽しみにしてるよ」
母からそう聞かされ、わたしもうれしかった。
12月22日夜中の3時ごろ・・・なるはずのない・・・踏み切りがなっているように聞こえた。
なんだか・・・眠れなかった。
そして・・・お昼に・・・電話がなった。
母からだった。
「お父さんが・・・・刺された」
意味がわからなかった。
ただただ・・・涙が流れた。
「まだ生きてる?」
「大丈夫。○○病院にいるから」
病院に着くと・・・母が・・・首を振った。
「殺された」
翌日の新聞には・・・事実とは違う報道がされた。
24日・・・初めての・・・親子3人でクリスマスをするはずが・・・「葬儀」となった。
私が父の日にプレゼントしたポロシャツが棺の中に入れられた。
葬儀の途中、クリスマスケーキが届けられた。
そして・・・結婚を約束していた彼の親は・・・
忙しいと・・・葬儀にも来なかった。
そして・・・取調べが始まった。
なにも・・・悪いことをしていないのに・・・
詰問され・・・心はぼろぼろだった。
相手が・・・憎かった。
そして・・・怖かった。
父の同級生にやくざがいた。
そして・・・父が生前お金を借りていたといい・・・母からお金を奪っていった。
父の保険の担当している営業の人・・・
いろんな人が、母へお金を貸してと言ってきた。
そして・・・それから・・・一年間の間に・・・
祖父・祖母2人・そして・・・おばが自殺。
みんな・・・亡くなった。
近所からは・・・のろわれているとか・・・いろんなうわさが立ち・・・
母は・・・日に日に元気をなくしていた。
決まっていた結婚の日も延期となった。
とても・・・悲しかったけど・・・
でももうこれで・・・借金は増えないと・・・考えている自分がいて・・・
そんな自分がたまらなく・・・嫌だった。
そして・・・仲直りできなかった自分・・・
母を守らなければ、という気持ちと、自分の頼りなさ・・・
もし、私が男だったら・・・よかったのに・・・
後悔や・・・安心・・・不安・・・いろんな感情が、一気に押し寄せてきた。
これ以上のことは起こらない・・・そう・・・信じたかった・・・