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四大陸は平昌五輪テストイベント!
フィギュア日本勢の複数メダル期待。
posted2017/01/31 11:40
田村明子
text by
photograph by
Yohei Osada/AFLO SPORT
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170131/12/happymaunten/d3/25/j/o0706037213857797266.jpg?caw=800)
世界選手権前の大きな国際大会として、また、平昌五輪の本番環境の確認にもつながる今回の四大陸選手権は、羽生にとって非常に重要な大会となる。
2月15日から韓国の江陵市で、2017年四大陸選手権が開催される。
毎回、五輪の1シーズン前に必ず本番用の会場を使用してテストイベントが行われるが、今回使われる江陵アイスアリーナも来年2月にいよいよ開催される平昌五輪のフィギュアスケートおよびショートトラックの会場である。
どの大会がテストイベントになるかはその年によって違い、ソチ五輪前は前々年のGPファイナル、バンクーバー五輪では前年の四大陸選手権、トリノ五輪では前年の欧州選手権がテストイベントだった。
五輪でメダルを目指す選手にとって、実際の本番会場を体験しておくのは重要なことである。今回は普段にも増して、アジア、北米各国のトップ選手が顔を揃える豪華な試合になる予定だ。
羽生結弦はどこまで演技を完成させてくるか?
羽生結弦にとって4年ぶり、3度目の四大陸選手権である。2011年と2013年、いずれも銀メダルだった羽生にとって、優勝すれば本大会の初タイトルとなる。
全日本選手権をインフルエンザで欠場した羽生は、試合に出場するのは12月のGPファイナル以来2カ月ぶりとなる。
SP、フリーともに4ループを加えてプログラムの難易度を増した今シーズン、初戦のオータム・クラシック以降一試合ごとに着実に完成度を上げていった。
いよいよシーズン後半に入ったこの大会で、SP、フリーともノーミスの演技を見せてくれるだろうか――。
もし実現したら、また歴代最高スコアが更新される可能性は大である。
何よりも重要なのは、来季に向けて五輪会場での良いイメージをしっかり刻みつけてくることだろう。本人の納得のいく演技を見せてくれることを期待したい。
さらなるレベルアップを目指す宇野昌磨。
全日本選手権で初タイトルを手にした宇野は、年末年始を北米で過ごしたという。
シカゴでは、アレクサンダー・オウリアシェフコーチと、ジャンプやフィジカルなどの強化練習を行った。元ウクライナチャンピオンのオウリアシェフは、技術の高さに定評があるグレイシー・ゴールドにジャンプの基礎を叩き込んだコーチである。
その後、トロントに移動して演技の幅を広げるためにデイビッド・ウィルソンにエキジビションの振付を依頼したという。
今シーズン4フリップをものにして、GPファイナルでも2度目の銅メダルを手にした宇野。
五輪を見据えての海外強化練習の結果を、江陵で目にするのが楽しみである。
新たな一面を見せた田中刑事。
日本男子代表の3人目は、全日本選手権で2位に入り、シニアになってから初のメダルを手にした田中刑事である。今シーズンはNHK杯で3位に入り、初のシニアGPメダルも手にして急成長中と言っていい。
4サルコウの成功率が上がったことももちろんだが、特にマッシモ・スカリ振付のフリー、ニーノ・ロータのサウンドトラックメドレーでは、今季驚くほどの表現力の成長を見せてくれた。
早いテンポの細かい動きも小さくまとまってしまうことなく、ダイナミックに体を大きく使いながら最後までスピードを保った滑りは、観客の注意を一瞬たりともそらさない。
昨年は6位だったこの大会で、どのくらい順位を上げられるか注目である。
男子表彰台はアジア系の独占となる!?
日本勢にとって最大のライバルは、アメリカの若手ネイサン・チェン、そしてカナダのパトリック・チャンと、北米勢の代表もメインはアジア系の戦いになりそうである。
他のメダル候補は、GPシリーズは不調だったボーヤン・ジンとハン・ヤンら中国勢。また2015年のこの大会のチャンピオンであるカザフスタンのデニス・テンがどのように調整してくるかも気になる。
アメリカのジェイソン・ブラウンがどこまで演技をまとめてくるかにもよるが、表彰台はアジア系で独占される可能性が大きそうである。
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http://number.bunshun.jp/articles/-/827352