先月4月の終わり頃、訪問先の本棚で、たまたまあの「青い鳥」が目に留まって読んでみました。

 

それはチルチルとミチルという名の兄妹が「幸福の青い鳥」を探しに行くお話だと、いつからか何となく知っていたのですが、読んだ記憶が定かではないので、最初から最後まで読んだのは今回が初めてだったかもしれないです。

 

そしたらその訳者さんによる最後のあとがきで、「青い鳥」には続編があると知ったのでそれも読んでみたら、主人公のチルチルが新たな旅をして、七人の娘の中から婚約者とめぐりあうというお話でした。


その中でも特に印象的だったのは、「青い鳥」を探しに行くように頼んだ妖精のおばあさんがまた出てきて、婚約者つまり花嫁を選ぶのは、おまえ自身じゃないとチルチルに言う場面でした。

 

「この世界じゃ、だれも、自分の気持ちだけで自分のしたいように生きていくっていうわけにはいかないのさ。

何よりもさきに、おまえを生かしてくれているものが、おまえに何を望んでいるのか、悟らなければいけないんだよ。

それにしたがって生きていくのが、いちばん自然で、正しいことなのさ。

花嫁だって、そうして選ばれるんだよ」と。

 

ところでその「青い鳥」の著者のメーテルリンクは、思想家としての本も何冊も出していると知って、「貧者の宝」という本も読んでみたのですが、先の続編と同じようなことが書かれていました。

 

「心の自然な動きに耳を傾けず、運命の星に逆らって愛の対象を選ぼうとしても、わたしたちは星が定めた相手を必ず選ぶだろう」と。

 

それから思いがけなく「手紙」に関することも書かれていました。

 

「仮にあなたが大海の真っただ中の忘れ去られた、どこか遠い島から1通の手紙を受け取り、相手がどんな人物かわからなかったとしよう。ー(略)ーこのように手紙で出会う魂にー(略)ー日常のいかなる現実よりも堅固で確かな手応えを感じるのではあるまいか。

 

そして、時空を超えて相手の魂もこちらのことを思っていたのだから、同じ確かな思いをいだかないなどということがあるだろうか。

 

わたしたちは至る所でお互いを認知し合っており、自らの存在を隠すことはできないのだ。

 

未知の者同士の間でこの種の手紙がやりとりされる時、ふとよぎる何か不思議な思いほど、おそらくすべての魂と魂の間にあるにちがいない精妙な絆の存在を明るみに出すものはなかろう」と。

 

私はこの「手紙」に関する文章を読んで納得したというか、答えをもらったような感じがしました。

何年も前に羽生結弦さんに手紙を送ったことから始まって体験したことに対する答えです。

それは単なる妄想ではなくて、やっぱり確かな事実だったのだと。

 

ところでメーテルリンクは「青い鳥」を書いた後にノーベル文学賞も受賞していると知りました。

 

そして自然界の昆虫や花を観察して記録したエッセイも何冊も出していて、そのうちの1冊「花の知恵」も読んでみたら、「花が、人間にとって、反骨精神や勇気、粘り強さ、そして創意工夫の、ただならぬ手本であることがわかるだろう」と様々な花の知性について詳しく書かれていて、それもなかなか面白かったです。

 

それから「青い鳥」は「人生の手引書のメルヘン」とフランスの学者が呼んだとも知りましたが、今回読んでみて納得しました。

だから子どもだけでなく、どこか外に「幸福の青い鳥」を探し続けている大人達にこそ是非オススメしたいとも思いました。

 

 

 

 

 

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