ヨーガの流れ3〜タントラとハタヨーガ | 大阪・天満橋 パーソナル/プライベートヨガ専門☆ココロとカラダの調律師・パーソナルヨガトレーナーAyakoのハッピーハーモニーライフ

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こんにちは、ご訪問ありがとうございます。
ココロとカラダの調律師・パーソナルヨガトレーナーAyakoですクローバー
 
 
前回、ヨーガについて
ヴェーダを源流とする
六派哲学の「ヨーガダルシャナ」は
「ラージャヨーガ(瞑想)」と
「ジュニャーナヨーガ(哲学)」が
主体であることを説明しました。
 
 
真理についての思想をベースとし、
それを瞑想によって体験することを目指します。
 
 
ヨーガダルシャナは同じく六派哲学の
サーンキャとセットです。
 
 
ヨーガの教典である「ヨーガスートラ」では
アーサナについて
 
「安定し、快適であるものがアーサナである」
 
と書かれていますが
それ以上の解説はありません。
 
 
アーサナの手順ややり方などは
一切書かれてないのです。
 
 
ヨーガスートラの八支則にあるアーサナは
 
「瞑想のために座るもの」
 
であって、
あくまで瞑想が主体です。
 
 
現在広く認識されている
ヨーガの「ポーズ」とは
明らかに質が違うものですよね。
 
 
ではアクロバティックなポーズをしたり
いろんな呼吸法をしたりという
現在「ヨガといえばそれ」という
 
「ハタヨーガ(肉体のヨーガ)」
 
は、どこからの流れでしょうか。
 
 
ハタヨーガはシヴァ神が妻のパールヴァティーに
ハタヨーガの教義を授けている時、
それを魚(マツヤ)が全部聞いていて
シヴァ神はそのマツヤをシッディ(成就者)にし、
それが「マツェンドラナータ」と呼ばれるようになって
ヨーガを伝えるようになったという伝説があります。
 
 
ヴェーダ哲学とは全然違いますよね(笑)。
 
 
伝説はさておき、ハタヨーガは
11世紀〜12世紀ごろに
 
「ゴーラクシャ」
 
という人によって大成されました。
 
 
ゴーラクシャはハタヨーガの文献である
 
「ゴーラクシャシャタカ」
 
を残していて、
そこではヨーガの階梯が
 
「六支則」
 
とされています。
 
ハタヨーガの体系を確立したゴーラクシャですが
棒術にもすぐれていたそうです。
 
 
そのゴーラクシャの思想の源流が
 
「タントラ」
 
なんですね。
 
 
ゴーラクシャの師がマツェンドラナータであり、
仏教徒であったと言われています。
 
 
仏教とタントラはとても密接で
「ハタヨーガ」という言葉が
初めて出てくる文献が
実は仏教の経典だそうです。
 
 
真下先生の本でも
ブッダの言葉とタントラを
同じ本に纏められています。
 
 
ヴェーダとタントラは
考え方が全く異なる思想体系です。
 
 
サーンキャでは世界を
プルシャとプラクリティに分けて考えますが、
タントラでは「スパンダ(振動)」という理論で
全てを「ひとつ」と考えます。
 
 
そこでよくサーンキャは二元論で
タントラは一元論といったレッテルを貼った
カテゴライズがされることが多いのですが、
それはとても意味のないことです。
 
 
それぞれ「サーンキャの考え方」
「タントラの考え方」として
正しく理解する必要があります。
 
 
サーンキャの思想ついてはこちら真下先生の著書
「サーンキャとヨーガ」をご参照ください。
 
タントラの思想については同じく真下先生の著書
「ブッダの言葉とタントラの呼吸法」をご参照ください。
 
ヨーガダルシャナはあくまで
瞑想を手段とする精神性の強いものですが
タントラの流れからくるハタヨーガでは
より肉体のエネルギーを扱います。
 
 
伊藤武先生の「図解ヨーガ大全」に
 
「ハタでは、身体を手掛かりに至高なものに達しうる、と考える。」
「ハタ・ヨーガは、粗大身(肉体)を手がかりに微細身を構築する。そして微細身を用いて原因身を制御するのである。」
 
と書かれています。
 
 
ゴーラクシャは棒術にもすぐれていたと
伝えられているそうですが、
ハタヨーガの思想は武術全体を扱う
 
「ダヌルヴェーダ」
 
からくるものも多いそうです。
 
 
ハタヨーガはインド武術のカラリパヤットなどの
稽古の前の準備運動としてもされていて、
武術の練習自体もヨーガと呼ばれるそうです。
 
 
今世界中でされているパッタビジョイスの
「アシュタンガヴィンヤサヨガ」は
その師匠であるクリシュナマチャリヤが
王宮でクシャトリヤ(武家階級)の子息の
鍛錬として開発したものがベースであり
武術に近い要素が色濃くあるものです。
 
 
カラリパヤットでも段階が進むと
瞑想の修行があるそうなので、
ハタヨーガと同じく
肉体からのアプローチの先にも
インドでは最終段階では
瞑想が技術技法のメインに
なるのかなと思います。
 
 
サマーディへの到達のプロセスとして
ハタヨーガの肉体へのアプローチと
ヴェーダ系の瞑想のアプローチとは
全く異なるものですから
ヨーガスートラとハタヨーガで
「アーサナ」の意味するところが
違うのも当然です。
 
 
サーンキャもタントラも
真理や世界に対する見方は違いますが
サマーディに到達するという目的は同じであり
到達へのアプローチ法やプロセスの違いはあるものの
ヨーガの修行法としてそれぞれに成立するものです。
 
 
「アーサナ」という単語が同じなため
ヨーガスートラの八支則の「アーサナ」に
ハタヨーガの「アーサナ」が
行法としてすっぽり当てはめられていて、
肉体的なアーサナのアプローチをしながら
精神的な瞑想の重要性を説かれるという
多方向からの情報に混乱される方も多いと思いますが、
 
「ダルシャナ(思想・考え方)の違い」
 
を理解していただければと思います。
 
 
「ヨーガはヴェーダの思想がベース」
「ヨーガとサーンキャがセット」
「タントラとハタヨーガがセット」
「ヨーガ哲学とハタヨーガは別系統」
「現代の日本のヨーガはヴェーダとタントラのハイブリッド」
 
というポイントを押さえておいてくださいね。