娘が年賀状をやりとりしている中で一番長い付き合いの方は、お受験の際にお世話になったお教室のY先生です。年に一回のご挨拶だけですが、小学校入学から現在に至るまで、娘の成長を応援してくださっていますニコニコ

 

    お受験の際に、家庭の対策だけでなく、お教室に通って良かった、と思うことはいくつかあるのですが、その1つに、父親の子育てへの関わり、父親と子供の関係があります。

 

    子育てに父親という存在が重要と感じるのは、お受験に限ったことではありませんが、お受験に取り組んでいると、母親とは違う視点で子供を見守り、冷静な対応が出来る父親が必要と感じることが多くありました。

 

    お受験をするしない、どんな学校を志望するかを突き詰めていくと、それは家庭の教育方針をどうするか、ということになります。

    教育方針って、結局は親の教育歴、価値観、それに基づく仕事や家庭に対する考え方が反映されるわけです。

 

    学校側も、子育てに対する父親の考え方、関わりについて高い関心があることは、面接の際に強く感じました。

 

   余談ですが、我が家は小学校へ提出する願書、願書へ記載する志望理由等は全て主人が記載しました。

    志望理由を父親が記載することで、両親共に同じ方向で教育に取り組んでいること、父親自身の教育に対する考えが、一番伝わりやすいと思ったからでした。

 

    よく、お受験は父親の理解と協力があるご家庭が合格すると言われます。

 

    我が家は主人の仕事の事情から、当時完全なワンオペでした。主人も娘が寝ている時間に帰宅して娘の寝顔を沢山撫でたり、週末は車を出して買い物やドライブをしてくれていましたが、娘は起きている大半の時間を母親の私と2人きりで過ごしていました。

    そんなこともあって、娘はある時、仕事に出かける主人に

 

「また来てねにっこり

 

    と言ったのです。

 

    娘にとっては何気ない一言だったのかもしれません。けれど、娘にとっての父親は、遊びに来てくれる人の認識なのか、と私は衝撃を受けました。

 

   これはいけない、とその日保育園にお迎えに行った私は、保育園の荷物を持ったまま、娘を連れて主人の会社まで向かいました。

 

    主人の勤務先は完全なビジネス街です。駅と会社周辺は仕事帰りのサラリーマンしかいない中、私は主人の会社、建物の前まで娘を連れて行きました。到着したのは19時すぎだったと思います。建物の窓全てから電気がもれています。まだ沢山の人が働いているからです。

 

「パパはあのビルの4階にいて、家族のために仕事を頑張っているんだよ」

 

    私は3歳の娘に伝えました。

 

    仕事を頑張っている、と伝えても仕事がどんなものか理解していなかったと思います。けれど、父親が家にいない時、ここで頑張っている、とどうしても伝えたかったのです。

 

   その日は仕事中の主人に食事の時間だけ抜けてもらい、家族三人で夕飯を食べました。主人の会社の近くに回転扉のビルがあり、そこで夕飯を食べたのです。

 

    いつもと違う場所での家族での夕飯に娘はとても御機嫌でしたニコニコ

 

    夕飯の後、仕事に戻る主人と別れ、娘と二人電車で帰宅しました。たった一日のわずかな時間のことでしたが、娘はそれ以来、また来てねとは言わなくなりました。仕事が何かわからなくても、家にいなくても、父親がどこにいるかはわかったようでした。

 

「私も大きくなったら、あの赤い電車(主人の利用する地下鉄です)に乗って、パパと一緒に仕事に行く。パパの隣のドアがくるくる回るビルでお仕事する」

 

    まだ若く、毎晩深夜に帰宅していた主人にとって、娘のセリフはとてもうれしかったらしく、しばらくは娘がもしうちの会社に来るなら、とブツブツ言っていましたデレデレ

 

    主人の淡い願望は、結局叶うことはありませんでしたが真顔

 

    娘には成長に応じて、主人の仕事の内容や、それが社会でどのように役立っているのか、教えてきました。それが良かったのか悪かったのかはわかりません。けれど、ニュースや学校で父親の仕事に触れる機会もあり、父親を、特に仕事に関しては本当に尊敬した子に育ちました。

 

    と、良い面ばかり書きましたが。普段はどうでもいいことで娘にちょっかいを出し、ケンカしている不思議な親子関係です汗うさぎ

    私としては、もう少し父親らしく、落ち着いた大人のように娘に接してほしい、なんて思うことも多いのですが。

 

    お受験での父親の関わり、のテーマから脱線してしまいましたが、父親と子供の関係って、物理的な時間が少なかったとしても、一緒にいる時間をどう過ごすか、一緒にいられない時間をどう過ごすか、が大切だと思った次第です。

 

    お受験を通じて、親子の関わり方、母親と違う父親の良さ、を認識できたエピソードについては、また別の機会でも触れたいとと思いますハート