楽友協会の舞台の斜め上の席は、今回の定期演奏会の指揮者、バレンボイムを奏者の角度から拝む事が出来、一緒に演奏をしているかの様な錯覚に陥る事が出来る、ちょっぴり嬉しい席。
実は今回の演奏会は、一昨日の初日の演奏会にも立ち見で伺ったのですが、楽友協会のギュウギュウ詰めの立ち見席でも音楽の満ち足りた幸福感を感じられた演奏会だったので、この最終日の公演を大変楽しみにしておりました。
前半のプロコフィエフの古典交響曲は何故かあまり、ドイツで生演奏を聴く機会が多くなかった作品。
演奏が終わると、コンサートミストレスの方に笑顔でBravi!と声を掛けていたバレンボイムが印象的でした。
そして、後半は私の好きなシンフォニーの1つ、マーラーの交響曲第１番です。
大学生の頃に参加した、ドイツのオーケストラの音楽祭でも、ベルリン放送響でも演奏した事のあるこの作品は、初々しさに溢れ、マーラーらしいロマンチックな響きも沢山聴く事が出来る事が私にとっての魅力で、何度も演奏したくなってしまいます。
ウィーンフィルのマーラー１番を聴くのは今回初めてだったのですが、バレンボイムらしい立体感と曲作りが感じられる素晴らしい演奏で、久しぶりにエンジンがフルにかかったウィーンフィルの演奏を聴くことが出来た様な気がして、本当に嬉しくなりました。
素晴らしい演奏会を聴いた後には、ちょうど現在ウィーンを訪れている、ベルリン時代からの音楽学者の友人と共にお食事。
充実感に溢れる演奏を聴いた後のお食事は、何を食べても格別で、演奏会の感想を語り合う瞬間は懐かしいベルリン留学時代の思い出が蘇ってきます。
ベルリンフィルとラトル、ベルリンシュターツカペレとバレンボイム、そして演奏側である事が多かったけれど、ベルリン放送響とヤノフスキ。
この3種類のコンビの演奏会をベルリンではよく聞いていたのですが、もう今のベルリンには、ベルリンシュターツカペレとバレンボイムしか残っていない事を思い出し、何だか寂しさを感じました。
時代は絶えず変化していく物。
変化する事によって、過去の良かった出来事が更に輝きを増し、その時のかけがえのない時間の大切さを再認識するのです。
しかし、現在にもその素敵な輝きは沢山あるはず。それらを現在の時点でどれだけ沢山見つけられるか、感じられるかが幸せに生きるコツの様な気もしています。
現在の輝きを探し、原石を見つけて磨いている最中に、自分の中の思い出の輝きに出会うと、現在の磨き方の方法を再考してみるきっかけとなったり、それで良いのだよ、と背中を押してもらえた様な気がしたり…。
私は演奏会に行くと、音楽という媒体の中から様々なメッセージのインスピレーションをいただく事が出来る様な気がしているのですが、今回は同じプログラムに2回足を運ぶ事が出来た事によって、より一層その様な気持ちが強くなりました。
ひょんな所に素晴らしい出会いは転がっていて、思いがけない方向にいつのまにか自分の人生が進んでいく事もあります。
彼からも沢山のインスピレーションとアドバイスをいただき、素晴らしい音楽家の皆様の懐の深さに感激したのでした。
初対面だったのにも関わらず、とても親切にしてくださったロバーツさん。本当にありがとうございます！(*^^*)
偶然ウィーンを訪れていた友人が演奏会情報を眺めていると、何と彼女のベルリン時代の師匠がこの日の夜、ウィーンで演奏会に出演している事が判明。
彼女が先生に連絡をとり、私も一緒に演奏会に伺ったのですが、本番の前後に先生にお会いすると何と私の事をベルリンの学内で何度か見かけ、覚えていてくださった事が判明致しました。
実はベルリンに留学する前にもコンクールで演奏を聴いていただいたこともあったので、小さなサプライズに嬉しさを感じて思わず記念撮影
沢山の方との再会や出会いにより、毎日沢山のポジティブなエネルギーをいただいている私です。
日本では、春は出会いと別れの季節。そして、新たな一歩を踏み出す季節でもありますよね？
私も皆様と一緒に、また今年も新たな素敵な一歩を踏み出す事が出来る様に頑張りたいです！
皆様に素敵な春が訪れますように♪
Mai*^-^*T