昨日の職場での出来事。
訪問している施設でコロナが出てしまい、スケジュールに変化が多い日々。
なので、回るルートもいつもとは違ったりしている。
夢にまで利用者さんが出てしまう毎日。
そんな中、ある利用者さんが
「昨日はマッサージあるかしら? 」
と何度か事務所のほうへ問い合わせてきたり、わざわざ下まで降りてきたりしていたらしい。
彼女のところへはいつもと違う時間ではあるものの、訪問することになっていて、彼女の部屋に行こうとしたら、ちょうどエレベーターで遭遇。
「あら、RAYちゃん、今日はマッサージあるかしら? 」
「今からうかがう予定でしたが入ってもよろしいですか?」
とやりとりをしてお部屋へお邪魔する。
すると彼女は
「仕事中で時間がないのはわかっているのだけど、今度RAYちゃんのマッサージがいつあるかわからないし、昨日話したとき、今日は来るって言っていたから、お誕生日のお祝いにケーキを買ってきたのよ。マッサージの時間が短くてもいいから食べて行かない?」
と。
彼女は体調によって歩けなくなったりする。
普段は歩行器を使用している。
そんな彼女がわざわざ私のために外へ出かけ、ケーキを買ってきてくれた。
これはちゃんと目の前で食べて感謝の気持ちを伝えたい。
次の人は同じフロアだったので、数分遅れても問題ない。
私はマッサージをして、その後ケーキをいただいた。
「フォークもお皿もなくてごめんね」
と彼女が言うので
「気にしないで。野生的に食べますよ」
と私は笑いながらケーキをいただいた。
普段甘いものをあまり食べない私には、今回いただいたフルーツ・生クリームたっぷりのケーキはとても重たかったけれど、それでも美味しくいただいた。
それよりも彼女が私のためにしてくださったことへの感謝の気持ちと、言葉にできないなんとも言えない感情があふれ出して、ケーキを食べているうちに、自然と涙が出てしまった。
こういう涙を流したのはいつぶりだろう。
彼女は驚いていたけれど、私の涙を見て、彼女まで泣いていた。
私のことをここまで思ってくださる利用者さんはいないと思った。
昨日で私は正社員になって一年になる。
そんな記念すべき日に、こんな風にまもなくやってくる誕生日を祝っていただけたことに感謝したいと思う。
意思疎通が難しい利用者さんが最近私を目で追ってくださるようになったり、一緒に歌を歌って「元気になれた」と言っていただいたり、ときには悲しいお別れが続いたり、そんな日々だけれど、毎日を大切にしたい。
甘くてしょっぱかったあのケーキを思い出す度にしばらく涙するのかも…。