皆様、こんにちは。

 

昨日は、失語症・高次脳機能障害の方向け

「就職活動 お悩み相談会」を開催しました。

 

 

 

現在、就職活動中の方2名と、キャリアコンサルタント2名、

計4名での和気あいあいとした会となりましたニコニコ

 

今回、事前にお伺いしていたお悩みは・・

 

☆面接で話すのが苦手

☆自分の障害をどう説明していいかわからない

☆障害者雇用でも、適性検査は必要?

 

これら1つ1つについて、じっくりとお話を伺っていきました。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

☆面接で話すのが苦手

こちらは、失語症のある方のお悩みでした。

「どれだけ準備していっても、その場になると頭が真っ白になってしまう」とのこと。

支援者もついておられたようですが、面接後も「話すこと」を意識的に行ってきたとのことでした。

 

こちらに対しては・・

「失語症は、障害特性上、話すことが難しいもの。無理に話そうとしなくてよいのでは?」とお答えしました。

 

 

 

 

面接官に、失語症という障害があることを説明した上で、

メモを書いたり、応募書類を見ながら話したり、スマホのアプリを使ったり・・といった「代償手段」を使う。

 

面接官が求めているのは、失語症がありながら頑張って話してもらうことではなく、

失語症がある中で、どのようにコミュニケーションを取っていけるのか?だと思うのです。

 

 

以前、動画でもお話したことがありますが・・

私が失語症の方(言葉を発するのがかなり難しい方)の面接同行をさせて頂いた際、

この代償手段を使うことに日頃から慣れておらず、

企業からは「自発的にコミュニケーションを取ることが難しい方」と取られてしまい、

不採用となった苦い経験があります。

 

 

↓その時のエピソードはコチラ

 

 

普段の慣れた環境では、相手も自分も知った仲。

わざわざ代償手段を使わなくても、

何となく通じ合える、ということも多いかもしれません。

 

しかし、働く上では、その「何となく」が弊害になり、

仕事に影響をきたしてしまうこともあるかもしれませんよね。

 

特に面接は、企業側に自分を知ってもらう最初のお顔合わせ。

 

面接では、代償手段を使い、

「言葉が出ない場合でも、このようにコミュニケーションを取ることができますよ」

という実践をしていただくことをオススメします。

 

 

 

☆自分の障害をどう説明していいかわからない

こちらは、障害の症状と配慮事項を説明することについてのお悩みです。

 

具体的に、どんなことが起きているのかを尋ねてみると・・

「仕事の手順書を読んでも理解できず、とはいえそれを説明することも難しい(失語症があるため)」

とのことでした。

 

「手順書の理解が難しい」ことと、「難しいと説明することが難しい」。

2つの困りごとが起きています。

 

 

こちらに対しては・・

「手順書の理解が難しい」

→「自分にとって理解しやすい手順書とはどんなものか、考えてみては?」

 

「難しいと説明することが難しい」

→「プロフィールシートを作成してみては?」

 

ご提案しました。

 

まずは、手順書について。

既存の手順書をそのまま使うのではなく、

自分用にカスタマイズする視点を持つ、ということです。

 

 

たとえば、高次脳機能障害の方からよくお聞きするのは・・

 

・文字だけではなく画像も入れてほしい

・手順は、複数の工程を1枚の用紙にまとめず、1工程1枚にしてほしい

・長い文章は理解しづらいので、短い言葉で書いてほしい

 

といった改善方法です。

 

また、この方はパソコン作業が得意でいらっしゃるとのことなので、

「ご自分で手順書を作り替える時間を頂きたい」と申し出ることもできますよね。

 

 

こういったことは、就労移行支援事業所といった、実際の職場を想定した場所での

職業訓練を受けることで、より気づきやすくなります。

さらに、どのような工夫ができるかを、支援者と一緒に考えることができますよ!

 

 

私の勤める事業所でも、片手でのクリップ留め、三つ折り封入、輪ゴム留め・・・

文鎮やバインダー、本、色々なものを駆使して、利用者様は試行錯誤をしておられます。

 

 

与えられた環境で、決められた通りにできなければならない、ということはありませんので、

ご自分がやりやすい方法を見つけて頂ければと思います。

 

 

また、こういった障害について企業側に伝える資料として、

「プロフィールシート」があります。

 

応募の際、履歴書・職務経歴書と合わせて必要となる資料です。

ネットで検索すると、フォーマットがいくつかヒットしますので、

ご自分の書きやすいものを選んで作成しておくと良いかと思います。

 

 

障害の状況やできること・できないことは、

都度変わっていく場合もありますので、

常にブラッシュアップしていただき、

就職後も必要に応じて、職場に提示していけるものとして

ご活用くださいね★

 

 

 

 

 

 

 

 

☆障害者雇用でも、適性検査は必要?

こちらは、「脳卒中障害があるのに、適性検査で能力を測られるのはなぜ?」

というご質問でした。

 

適性検査は、一般雇用・障害者雇用、いずれにおいても使われることがあります。

 

検査結果の何を見ているかは、その企業による所があるかと思うのですが、

適性検査で測るものは、能力だけではありません。

応募書類や面接と同じく、その人を知る方法の一つとして、適性検査があります。

 

 

希望職種に見合うものを持っているか?

希望職種に適した性格であるか?

応募書類や面接で話していることを再確認したい

 

 

一般的には、こういった意味合いで使われることが考えられます。

適性検査で高い結果を出そうと、頑張って勉強される方もいらっしゃいますが、

どのくらい点数を取れば合格、というものではありませんので、

あくまで一つの判断材料に過ぎないもの、と捉えていただければよいかなと思います。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

このようなお話をしながら、あっという間の2時間となりました。

お二方とも、事後アンケートでは「悩みは解消された!」とご回答いただき、

嬉しい限りです。

 

 

あと1回、2/25(日)13-15時に開催予定ですので、

ご興味のある方は、ぜひぜひ、お申し込みくださいね。

 

参加費は無料です。

 

 

 

https://forms.gle/kdi8wqj14gqV93tN9