皆様、こんにちは。

まだまだ残暑が続きますね。日中は日差しが強く、半袖がまだ手放せません晴れ

 

さて、昨日、失語症・ナレーションサロン_発話の回を開催しました。

新たな方が1名加わり、男性3名での参加となりました。

 

今回のサロンでは、色々と反省点が出てきました。

何がいけなかったのか。自分なりに頭を整理して、このブログでも綴らせていただきます

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2019年10月5日(土)10:30~12:30 @ドリーム伏見

発話の回 参加者:3名

 

1.前回の振り返り

(音読の時間に歌を歌ったこと、夏の想い出(予定)を話したこと、読んだ原稿の内容 など)

 

2.準備運動

◆肩・首のストレッチ(手で頭を押さえ、首筋を伸ばす)

◆舌を動かす(上下左右、「の」の字を描く)

 

3.呼吸法

◆「半胸式・半腹式呼吸」の実践

・腹横筋(脇腹付近にある筋肉)を使い、その上にある横隔膜を上下させて呼吸する方法

(従来の、腹直筋に力を入れる腹式呼吸よりも、エコで効率よく、声を響かせる呼吸法)

 

・脇腹に手を当て、鼻から息を吸い口から吐く練習。呼吸と共に、脇腹が左右に凸凹することを確認

※口は完全に閉じずに弛緩させておく(自然に息を吸うイメージ)

 

・息を吐く際に、ため息のように「ハァ~」と声を出してみる

 

・息を吐く時間をカウント(声は出さない)→最長37秒79

※少しずつ長く吐けるように、次回もカウントしてみます

 

.発声練習

◆「あいうえお」の口形確認

・大きな声(遠くに飛ばす)

・小さな声(近くにささやく)

・スタッカート

・音域を広げる(音を付けて「あいうえお」→3段階高くしていく)

 

◆「さ行」の練習 (無声・歯茎・摩擦音)→舌先を歯茎に近づけて隙間を作り、空気を通す

※舌先が、下の歯の裏側(上の方)に軽く触れる位置で発音すると、出しやすい。

 

・一音ずつゆっくり発音

・少し速く

・スタッカート

・「さしすせそ」×3回繰り返し

 

「さ行」から始まる単語を挙げて発音練習

※ゆっくり考えながら挙げていく

※できるだけ、参加者の方に関係しそうなものを考える

 

さ→サングラス・酒

し→白・しそ

す→すず・進む

せ→せみ・先生

そ→空・そば

 

※白の「ろ」が言いづらい、という方がいらっしゃいました。

※皆さん、2単語続けて言うのは難しそうだったため、1単語に絞った方がよさそうでした。

※書いてある文字を読むことが困難な方には、音を聴いて真似していただきました。

 

 ~小休憩~

 

5.自分で読みたいものの音読こちらで用意)

 

・「童謡 もみじ」(お二人で合唱)

→文字を読むのが困難な方と、歌が得意な方。お二人で合唱してくださりました。

お二人とも歌はご存知で、歌が得意な方の声につられて、もうお一人の方の言葉が出ている印象でした。

 

・「諏訪湖の紹介」

→いつもは歌を選ばれる方が、文章を選ばれて少しびっくりしました。

諏訪湖はなじみのある場所(故郷の近く)のようで、原稿にある写真に反応してくださったようです。

 

※写真に出て来る山の名前を思い出せず・・・

スマホで調べても出て来ず、その方も、分からないのがもどかしい様子。

諦めきれず20分ほど皆で考えました。

(後で、八ヶ岳と分かりました)

 

6.ナレーション技法を用いた練習

「目でみた物・状態を頭でイメージして表現」

 

ひらめき電球ポイントひらめき電球

文字をそのまま読むのではなく、その状態がどのようなものかをイメージして発語し、

言い方の変化に気付く。

 

例えば・・ 

重い・軽い 

重いもの→スーツケース

軽いもの→手提げ袋

 

それを持つ所をイメージして、「重い」「軽い」と発語する

おもい → おっも~い

かるい → かるっ

など、言い方の変化に気付いていただくことが目的でした。

 

※いくつかお題を用意しましたが、三人中お二人は、発語自体が困難で、

その言葉を言うことで精いっぱい。

イメージして表現するというお題は難しかったようで、顔をしかめられる場面もありました。

 

また、イメージすることが目的になってしまい、それを言葉で表現する、という所までたどり着かないことも

ありました。

 

※お一人の方は、表現にも挑戦してくださりました。

「暑い・寒い」について、

「暑い」は腕まくりをしながら「あつ~い」、「寒い」は袖を戻して「さむい」と、

ジェスチャーを交えての表現で、その状態がとても伝わり、お上手でした。

 

7.次回について

想い出の写真を見ながらエピソードをお聴きし、そこからイメージする言葉をいくつか引き出していきたいと思います。

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今回の反省点は、太字表記した箇所です。

 

◆言葉が出てこない時の対応

◆お題が難しかった

 

「言葉が出てこない時」

私は、その答えがでれば、その方の気分が晴れるだろうと思い、

答え探しに必死になってしまいました。

何を言っても「違う!」と言われ、諦めずにいるその方に、「ごめんなさい。分かりません。」と伝えながらも、

内心「もういいじゃないか」と思ってしまい、少し態度にも出ていたと思います。

 

今になって思えば、「ごめんなさい。今すぐには分かりませんので、また調べてきますね。」と笑顔で終わらせることも

できたのではと思いますし、他の職員さんなどは、「言葉が出なくてもどかしいよね。」と共感し寄り添う言葉をかけていて、

自分の懐の狭さを実感する経験となりました。

 

「お題が難しかった」

このお題に思い入れがあり、何とか目的達成しようと半ば強引に進めてしまいました。

 

しかし、思った通りに進まなくても、「そうではなくて」と否定することなく、

「ああ、なるほど。それは・・」と話題を更に広げることの方が、

その方にとってはずっと言葉を引き出すきっかけになったのではないかと、今は思います。

 

失語症の症状は人によって様々。また、その日によっても違うことだってあります。

そのことを頭に置き、あくまで、このサロンで大切にしている「楽しむこと」を、

こちら側ではなく、参加される方々にとってであることを、忘れずにいようと思います。

 

少し長くなり、スミマセン。

次回は、11月2日(土)10:30~、@ドリーム伏見です♪