半日村:文 斎藤隆介/絵 滝平二郎

:岩崎書店

 

高い山のふもとにあって半日しか日が当たらない村がありました。

作物も他の村の半分しか育たず、村の人も元気がなくなっています。

みんな、ここに生まれてしまったら諦めるしかないと思っています。

そんな中、一平という子どもが山を湖に埋めてやる!!と立ち上がります。

袋を担いで山に登って、少しずつ土をおろし始めます。

はじめは皆、できるわけないと笑います。

けれど、毎日毎日一人でコツコツと続ける一平に一人、また一人と手を貸すものが出てきます。

大人も加わり、いよいよ村中みんなが加わって続けます。

一平が大人になったころ とうとう山は半分になりました。

 

やってみたいことが頭に浮かんでも、

頭の中の慎重な自分が

ストップをかけてきて、挑戦できないことがあります。

 

「こんなことできるわけない」

「あきらめるしかない」

「力をつけてからはじめよう」

 

半日村のこの話は、

そんな自分の覚悟のなさに

塩を塗るように心をヒリヒリと刺激します。


 

私の思考の癖で、

すごいことを成し遂げた人は、

すごい才能があったのだろう。

すごい方法を思いついたのだろう。

なんて、

 

「自分には無理」と思い込むためのシナリオを

勝手に描いてしまうことがあります。

 

覚悟をきめることと

ひたむきな一歩。

 

それが1番大切なんだと

教えてくれる一冊です。