こんにちは。ハッピーアダプション部、新入部員のマルキママです。

先日、保護猫カフェねこかつさん主催の動物愛護シンポジウム「2025年動物愛護法改正に向けて」が開催され、なんと1,000人を超える参加者が集まりました🙌

(詳しくは 熱気に満ちた動物愛護シンポジウムをお読みください)

 

最後のご登壇は、映画「犬部」のモデルとなった太田快作先生!

ですが、控室にはまだお見えになってないようでした。司会役の保護猫カフェねこかつ代表の梅田さんが、「あの・・・快作先生、どこかにいらっしゃいますか?」と会場に問いかけ、客席がざわつく中、一番前の席から手を挙げて登場されました。診察衣の上からジャケットを羽織った格好で、リュック姿で。登壇時刻ギリギリまで診療されていたのでしょうか?😲

 

「今回は動物愛護法の話をしなくてはいけない、というのを昨日知ったのですっとばします。僕は、その話はしません。」という衝撃の第一声でご講演が始まりました。

それからすぐに本題へ。

「捨てられた子ってどうなるか知っていますか? ほとんどは死ぬんです。それも苦しい思いをして。捕獲保護される子はほんの一部なんです。そのせっかく生き延びた命を、吠えるから、噛むから、凶暴で人に懐かないからというだけで奪わないでほしい。命あるものは全て救いたい」と、静かな声で、でも真剣そのもので語り始めました。

会場は水を打ったように静かになりました。そして、動物の殺処分数をゼロに、またゼロを維持するためにはその後どうしたらいいのかを、「僕の3つの妄想の話」として提案されました。その妄想のタイトルを発表するたびに会場には笑い声が🤭・・・でもお話が進むにつれ、皆、なるほどなあ、と納得の表情でした!

 

気持ちが前向きになる快作先生の妄想話、ここで紹介させてください🙇🏻‍♀️

 

<太田快作先生の3つの妄想プラス1>

①  動物愛護基金の設立

日本の保護活動のほとんどを支えているのはボランティアの力です。その人たちは、自分のお金と時間を割いて保護動物を支えています。ボランティアの方たちにも家族や生活があるのに。

それから、怪我をしている動物を見つけ保護して動物病院に連れていってあげると、その人は多額の医療費を支払わなければいけないんです。それっておかしくないですか。

僕は、全国どこでも誰かが動物を保護したら医療費などの費用が一切かからないようにしたい。そのために動物基金を設立したい! 

僕の試算では、年間20億円、日本人1人につきたった年間20円の負担でできるんです。それまでは、私腹を肥やさない団体を選んでどんどん寄付してください。

 

②  動物園大作戦

動物園の目的は、保護・研究・教育・娯楽の4つです。

ならば、全国各地のさびれた動物園を、野良犬、野良猫、保護されたその他のペット、役目を終えた実験動物や畜産動物を集めた動物園にしよう!!(健康でも、実験終了後の実験動物や生産性のなくなった畜産動物は殺処分されるそうです)

娯楽性があるかどうかは見せ方次第です。動物の生態や行動学などの研究がいくらでもできます。

子どもたちも動物とふれあい、学び、そして動物のおかれている様々な境遇について知り、命について考えることができます。動物園の4つの目的も達成できます。

 

③  獣医学部を新設してほしい!

アメリカのウエスタン大学の獣医学部では動物を実験や実習などで一切殺すことなく、獣医師になることができます。動物福祉の研究室もあります。そのような獣医学部を日本にも是非開設を!

 

(プラス1)

台湾では保護動物を譲渡できる場所が町中にあります。日本でもあちこちの動物病院に保護動物を分散させれば譲渡が促進できます(台湾はインドに続きアジア2番目の殺処分禁止国)。

 

このシンポジウムでは、太田先生の講演の前に、

・杉本 彩さん(公益社団法人動物環境・福祉法人Eva)

・橋谷田元さん(埼玉県保健医療部生活衛生課)

・太田匡彦さん(朝日新聞記者)

・岡田千尋さん(NPO法人アニマルライツセンター)

がお話しくださり、動物をとりまく過酷な状況を知ることができました。

 

現動物愛護法の網の目をくぐって営業を続ける悪質繁殖業者と偽愛護団体、犠牲になるペットたち(杉本彩さん、太田匡彦さん)、また実験動物、畜産動物の残酷な現状や今すぐにでも変えなければならない動物の輸送に関する厳しい現実(岡田千尋さん)。

そして殺処分を激減させるためにこれまでに様々な取り組みを行った埼玉県の事例紹介(橋谷田元さん)はとても参考になりました。

 

その内容をふまえ、総括になるような太田先生のご提案で、会場は和やかなムードに。

シンポジウムに参加した一人一人の胸の中は、熱い思いと希望でいっぱいになったんじゃないかな、と退席される方々を見て思いました。

 

                                    (by マルキママ)