ずいぶん間が空いてしまいましたが、
アイルランドの自然について
書いておこうと思います。
前にも書きましたが、
アイルランドは北大西洋にありながら、
暖流が流れているおかげで
真冬でも牧草が枯れないそうです。
なので、基本的に牛は年中放牧できます。
何よりわたしにとって珍しかったのは、
牛や馬や羊が混在している風景です。
日本でも
放牧されている牛などを
見ることはできますが、
混在している風景は、
少なくともわたしは見たことがありません。
何とも、ほのぼのと楽しげな光景なのです。
また、アイルランドには、
高い山がほとんどありません。
わたしたちが泊まった
ホテルの近くの最高峰の山の標高ですら
1050㍍ほどです。
ちなみに、
東京近郊の高尾山の標高は599㍍
筑波山は877㍍
そして、富士山は3776㍍
だそうです。
なので、川も少ない。
ということは、滝もほとんどない。
わたしたちが訪れた
キラーニー国立公園のトルクの滝も、
わたしたち日本人にとっては、
あ、滝だね
といった程度のものですが、
アイルランドの人々にとっては、
わぁっ、滝だあ~ !!
となるようです。
こんな風に、訪れた名所はどこも、
へぇ~
ふ~ん
ほぉ~
と、
わりと地味な感動を
もたらすところばかりでした。
なんだ、アイルランドってつまんない
ちょっと待ったぁ~
実はアイルランドの良さは、
日本に帰ってきてから
ジワジワと染みてくるのです。
いみじくも夫が読んでいた
村上春樹の本の中に、
こんな一節がありました。
極端な言い方をするなら、アイルランドから戻ってきてはじめて「ああ、アイルランドってほんとうに美しい国だったんだな」と実感する。もちろんそこに実際にいるときだって、「美しいところだな」ということは頭で理解できているのだけれど、その美しさがしみじみと身にしみてわかるのは、むしろそこを離れたあとのことだ。
まさに、その通りなのです。
アイルランドというのは、
特にどこかの名所を訪ねる必要のない
ただ、その地に行くだけでよい。
そんな国なのだと思います。