激しい風にも、屈んで風が行き去るのを、じっと待つ緩やかな南風に、鳴いてしまう風鈴の様に脆くなっている。 しかし、激しい風にも、屈んで風が行き去るのを、じっと待つ。 まるで流線型のスポーツカーの様に、風の抵抗を躱せるのだろうか? 吠えて牙を剥いている犬の先には、ぴょんぴょんとあしらいながら逃げる兎に為れるのだろうか? 爪を立て、尾を立てる猫に、笑いながら逃げる鼠に為れるのだろうか? 空の上から獲物を狙う鷹に、土の中に潜り込む土竜に為れるのだろうか? 世の中、それほど甘くない。 如風でした。