オリパラが皆に残したもの。
色々有るけれども、俺が受け取ったものは差別に対する意識。
性的差別に始まり、障害者への偏見、そして嫌がらせや虐めなどのハラスメントも含めてである。
差別意識と言うのは、自分が優位者であるという自負から始まっている。
そこから、「可哀そう」という感情が表れて、差別意識につながっていく。
この「可愛そう」が、問題。
結論から言えば、「可愛そう」ではなく「それがどうした」だ。
俺が飲食店に従事していた時には、様々なお客様がご来店してくださった。
思想、感性、環境、職業、健康など色々なものが異なる人たちが集まってきた。
お客様たちは、この店の味が好きで集まっていただいた人達であり、食事、特に外食と言う特別な時間を楽しみにワザワザ来てくれた人達であり、中には俺のような人間に会いに来てくれるという奇特な人達も居る。
そのお一人お一人を、それぞれに合わせることは俺はやらない。
全て、同じように対応する。
ただし、車いすで不自由な方には手を貸したり、飲食店では避けられがちな盲導犬の入店などは受け入れた。
この様な事は、何も特別な事ではなく、人として当たり前の事。
トランスジェンダーの方も居たし、顔が難病で腫れあがった女の子も居た。
特に、この女の子は、当初は覆面を被ったまま食事をしていたのだが、日が経てば堂々と素顔で楽しそうに食べてくれていた。
あの時の心の笑顔は、今も忘れない。
だから・・・。