こんにちは。
獣医師エリコです。
これまで、野良猫さんの不妊去勢手術のこと、TNR活動のことについて書かせていただきました。
では、
「飼い猫は手術しなくていいの?」
いいえ、
飼い猫さんでも必ず、不妊去勢手術は絶対必要です。
・室内飼いにしているけど一晩だけ外に出てしまって、妊娠しているのを知らずに2か月後出産した。
・雄雌で飼っているけど、まだ幼いと思って油断していたら妊娠した
・家で出産してしまい、子育てが終わったと思ったら妊娠していた・・・
これらは、実際にあった話です。
こうした予期せぬ妊娠、出産が多頭崩壊の始まりになります。
また、オス猫の場合は、外に出てしまった場合、
飼い主の知らない間に外で子供を作っていることでしょう・・
まさか、自分の猫が・・・なんて思っていても
知らず知らずに、外で不幸な子猫が増えるもとになってしまっているかもしれません。
また、いつ起こるかわからない災害・・
大地震などで思いがけず猫さんがお外に飛び出してしまった場合。
避妊去勢手術をしていなければ当然
繁殖します。
もしもの事、万が一のことを想定し
猫達のために最低限の準備をしておくこと。
それが不妊去勢手術です。
まだまだ、完全室内飼いではなく、内と外を行き来させているご家庭も多いです。
これは実際にあったエピソードです。
野良猫の多いとされているある地域で、一斉手術が行われることになりました。
そして、事前連絡として「外飼いをしている猫は、一斉捕獲の日は室内に入れておくように」と通達されました。
すると、一斉捕獲当日。
いつもは何匹もウロウロしていた猫が、全く姿を現さなかったそうです!
住民の方がノラ猫だと思っていた猫達が、なんと皆飼い猫だったんですね・・
なんて地域も、
実は少なくないのではないでしょうか。
ならば一層
不妊去勢手術は受けていただきたいと思います。
また、先日Happy Tabby Clinicではこんな方も実際におられました。
・ボランティアをしている方から、猫を譲渡してもらい飼育していたが
つい先日に、2頭のメスが2頭とも子供を産んだ。
・ペットショップから買った猫さんだが、これまでに3回産んでいる。
子育てが終わったと思ったらもう妊娠していた。
・一晩だけ脱走してしまっていたが、不妊手術時に妊娠を知り驚いた。
これらはすべて
事実です。
Happy Tabby Clinicでは、飼い猫さんの堕胎手術もよくあります。
でも、飼い主さんは皆
「かわいそうなことをした、もっと早くに不妊手術をしていれば・・」
とおっしゃります。
飼い猫さんこそ
手術の時期を選んであげられます。
ならば、できるだけ早く
発情が来る前、
5か月齢までの不妊去勢手術を、選んであげていただきたいと思います。
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