ふと思い出すこと… | 強烈自閉くんとの暮らし

強烈自閉くんとの暮らし

28才の自閉症の息子を育てている、落ちこぼれ母のつぶやきです。日々おだやかに暮らしたいのに、何かしら仕出かしてくれる息子…心がポキポキに折れてしまう事も多いけど、たまーに息子から素敵なプレゼントがもらえます。それを心の支えに日々頑張っています。

私が高校生だった30数年前…

同じ町内に障害のある子が通う
養護学校(特別支援学校)があった。

バス通学のクラスメイトが
「昨日、養護の奴らとバスが一緒になっちゃって…」

とよく話していたのを覚えている。

私は徒歩で通学してしたので
養護学校の生徒たちと関わる事は無かったんだけど…

学校帰りに隣の市まで遊びに行く時
バスに乗ると
養護学校の生徒が乗っていた事があった。

5、6人の男子生徒が固まって
座席に座っていたそばに
私は立っていた。

バス通学は高等部の生徒。

私と歳が変わらない。

でも彼らは私たち、普通の高校生と
全く違っていた。

5、6人はおそらくいつも一緒にバスに乗っているメンバーのはずなのに

お互いにコミュニケーションを取らず

一人はひっきりなしに体を揺らし

一人はコマーシャルのワンフレーズを延々と歌い

同年代の女子高生の私がそばに立っているのに

見向きもせず

それぞれが自分の世界に入っていた。

同じ年頃なのに

彼らは私とは違う世界を生きている…

当時の私はそんなふうに感じた。



それから
10年後、

私は重度の障害を持つ息子を産み

その7年後、

息子は彼らの通っていた
養護学校に入学した。

その息子は今
当時の彼らの歳を越えた。




現在50歳前後になっている彼らが

幸せに暮らしているといいなと思う。