山を目指す! | つまづいても 犬たちとのエブリデイ

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ひとりの やや元気すぎるおばちゃん訓練士の、ドタバタな日々のブログです。

今日は もうひとつ書いておきましょう。


タイトルの 『山を目指す!』 ですが 先日の大山登山リベンジの話ではありませんのであしからず・・・笑うシェルティ



山を目指す・・・・これは訓練士だったらわかりますよね・・・。

霧ヶ峰=日本訓練チャンピオン 及び 訓練ジーガー の事です。


見習訓練士として修業していて お客様の犬を担当させていただくようになると この霧ヶ峰の全国大会に出場するということが 目標になります。

全部の訓練所の若い子が そうだとは言いませんが 私が修業した○達訓練所は 先生自身も毎年出場していましたし 何よりも嬉しかったのは この霧ヶ峰では師匠である先生と同じ舞台に立てるということでした。

訓練チャンピオンでは 警戒の部 足跡追及の部 物品選別の部 と別れていて 出場できるのは警察犬種に認められている犬種です。

訓練ジーガーでは 主催するのがシェパードの単犬種登録団体ですので シェパードだけが出場できます。こちらは1頭の犬が 警戒 追及の能力を競い合います。


当時の訓練所は 今と違って 管理している犬種はシェパードがほとんどだったでしょうね。ラブラドールがぽちぽち居たかなぁ・・・。

○達訓練所は コリークラブのお客様も多かったので コリー シェルティーもたくさん居ました。

ここで私の運命の出会い・・・・コリー シェルティーにはまるべく シュガーさんと出会いました。


さてさて 私も 担当する犬達と 『山を目指す』 事になるのですが それは本当に 犬にとっても訓練士にとっても 過酷な訓練を重ねる毎日です。

訓練チャンピオンは毎年10月に開催されます。お預かりしている犬で1年生(初めてチャンピオンに出す子)はお客様からお預かりして1年以上の訓練を重ねてきています。2年生以上の子は夏の間はお家に返しますが 9月になったらまた訓練所でお預かりして 山に向けての訓練を再開します。

日中は服従訓練をして 夕方~夜にかけて近隣の仲間の訓練士さん達がヘルパーとして手伝いに来てくださり 警戒訓練の練習が 毎日続きます。

この時期は 夕飯が深夜の1時 2時ということもざらでした。


私が初めて一緒に山に登ったのは アルマ ボニー・・共にシェパード そしてジョニー・・コリー でしたか。。。

アルマは以前にも書きましたが 私の大好きな犬でした。訓練所所有犬でしたが 可愛くて 可愛くて・・・。

ボニーは オーナーのいる犬でした。この子もとっても甘えん坊で アルマとボニーは 私を巡って喧嘩をするほど 私になついてくれていました。(一度 霧ヶ峰で休止の練習中 お互いに焼き餅を焼いて 大げんかになり大変なことになったことがあります。。)

ジョニーは あの当時でもコリーでたった1頭 警戒の部に出場しました。

コリーというのは 咬捕するときに どうしても咬みが甘く 入賞は果たせませんでしたが 服従作業はとても良くできる犬でした。警戒の部で パトロールという作業がありますが ゆったりとではありますが 確実にコモ(仮想犯人が隠れているテント)をパトロールしました。あのときのジョニーの走る姿は 未だに私の脳裏にくっきりと浮かんできます。


通常の毎日を送り 大会の1週間前に山に登ります。

霧ヶ峰に行くと 早朝から牧草地へ行き 先生の追及の助手をしたり(牧草地を目印を立てながら 追及のコースを歩いて足跡をつける) 広いグランドで服従訓練をしたり パトロールの練習 警戒の練習 を繰り返しました。

山の空気は 冷たく 澄み切っていて 大会当日になると犬達とどれだけ日々の訓練の成果を発揮できるのか・・・不安と期待で胸がいっぱいになったものです。


あの 『山を目指す』 という経験をさせていただいたことが 今の私の 訓練士としての自信 に繋がっています。

家庭犬の訓練とは違い 犬をとことん追いつめていきます。犬に 要求して 要求して 要求して!! 自分の理想の形に仕上げていきました。

もちろんそういう訓練に耐えられるだけの資質を持った犬しか山に登ることは許されません。

あの経験が なお一層 犬を愛する事 この仕事が私の天職だと確認できたことになりました。