ちゃんとしなさい

きちんとしなさい

 

子どもの頃に

大人からよく聞かされた言葉です。

 

発達障害について学ぶうちに

ちゃんと

きちんと

という表現がとてもあいまいだから

正確に伝えなければいけないことを知りました。

 

鉛筆を筆箱に入れなさい

読んだ本は本棚に戻しなさい

 

「ちゃんと」や「きちんと」の内容を

明確にすることが

支援だと思ってきました。

 

そして

世の中全体が

具体的な指示が出せるようになったらいいなと

思ってきました。

 

さらに

海外から

日本のあいまいな表現を

指摘されていることを聞くと

だめなことと感じ

修正しなければと思い

海外標準に合わせなければと

思ってきました。

 

最近思うことは

なぜ日本人が

あいまいな表現で

相手に伝えるのかということ

 

ざっくり言えば

争いを避けることができ

平和を保つことができるから

なのかなと思います。

 

縄文時代は

今から約1万3000年前に

始まったと言われています。

 

途方もない年月をかけて

日本人は

ちゃんとする

きちんとする

にたどり着いたのだと考えると

 

このあいまいさを

もっと大切にしたいと考えるようになりました。

 

私の発達障害者です。

 

「ちゃんと」や「きちんと」が

分かりにくいです。

 

具体的指示の方が

分かりやすいので

そうやって伝えてほしいと思ってきました。

 

ところが

指示が明確になればなるほど

その時の感情によっては

反発が生まれることに気づきました。

「今やろうと思っていたのに」

「だから?」

「やってるやん」

 

さらに義務が生じ

その先に契約が発生することと

つながっているのではないかと

思うようになりました。

 

でも

「ちゃんと」や「きちんと」だと

やり方や時間を

自分カスタマイズできます。

義務や契約に縛られなくていいです。

 

だって

ちゃんとやればいいんですから。

きちんとやればいいんですから。

 

自由度が高いですよ。

 

「ちゃんと」や「きちんと」は

束縛されることや

強制されることを嫌う

発達障害特性と

親和性が高いと思います。

 

ゆるく求められていることは

責任をもって完結することでもあります。

でないと

自由(平和)は保たれませんからね。

 

世の中で流布される

まことしやかな定説に

流されていた自分に気が付きました。

 

日本人は

1万年以上をかけて

伝え方改革をし

その先の

個人の自由を守ってきたのだと思うと

発達障害有りと無しによる

多少のアプローチの違いはあるにせよ

これに乗る方がうまくいくと思うのです。

 

つまり

発達障害支援は

ものごとを具体的に明確に伝えることを

ゴールとするのではなく

その先の

ちゃんときちんとの領域理解を

構造的に伝えるサポートをすることです