いつも拝見している「豊中の塾講師のブログ」の記事を拝読して、「大学受験で頑張らないと、大学入学後ではリカバリーが利きにくい場合もある」と思ったので、リブログさせていただいた上で、自分の思うところを述べます。



*あくまでも個人の戯言です。
*本稿は本ブログの過去の限定記事を、今回の主旨に合わせて再編集したものです。

最近、私立大学のステマみたいな記事を時々見かけます。そういった記事の「推し」は関東だとGMARCH、関西だと関関同立が多い気がします。少子化で最も打撃を受ける(志願者が減る、学生のレベルが下がる)のが、世間的に2番手以降と目される私立大学なので、「顧客」を減らさない為に必死なのでしょう(国立大学は少子化に合わせて定員を削るから、ある意味で影響を受けない)。そんな記事の中で、

だから中学受験はコスパが悪い…学歴研究家が「公立高校→GMARCH→大手企業」が人生の最強ルートと説くワケ
の中で、これは違うだろう、と思うのが、

「公立高校からGMARCHに受かって大手企業に就職して無難に生きる人生がコスパ最強なんじゃね?」(上記のじゅそうけん氏の記事より引用)

大手企業に入ったら終わりじゃない、という当たり前のことを敢えて書いてないのかもしれませんが、こういった考えへの反論を書いておきたいと思います。



入社しやすさの違い
大手企業ほど有名大学卒の従業員が多いことは、改めて言うまでもないと思います。そして、例えば早慶の学生とGMARCHの学生で、採用者/応募者の比率が同じなわけがないのです。
大手企業だと新卒の採用人数も多く、関東だと東大・一橋・東工大・早慶、関西だと京大・阪大・神大あたりの学生だけでは新卒採用枠を埋められないので、足りない分を上智・東京理科大・GMARCHや関関同立の学生で充足している、というのが実態であろうと思います。
ですから、企業側の優先順位で難関国立大学や早慶に劣後する、GMARCHや関関同立から大手企業に入る、それ自体が簡単ではないのです。

入社後の配属の違い
同じ会社に入れたら、その後の人生は入社後の頑張り次第!ではありません。出身大学によって配属先はかなり違います。
多くの学生が希望する本社の花形部門(文系)や研究所(理系)に配属される新入社員は旧帝大と早慶の出身者ばかり、という関東の会社はさして珍しくもない気がします。最近は「配属ガチャ」という言葉もありますが、その「ガチャ」で本人にとっての「当たり」が出る確率は出身大学で異なります。
入社後に仕事を頑張るにしても、そもそも自分が希望する職種での経験が積めない、転職するにしてもやりたい職種での職歴が無いとなるので、配属時の仕事はその後の人生まで影響を与えます。

ちなみに、全くオススメはしませんが、「出身大学」は「入学した大学」ではないので、理系は大学院での学歴ロンダリングがそれなりに効果がある場合もあります。
無視できない学閥
民間企業では三田会や稲門会の影響力があるというのは、役員の出身大学を見ていればなんとなく分かります。ちなみに国立大学は、学閥ができるほどの人数が同じ企業内にいません(半官企業除く)。
そういう会社で、そうでなくとも組織内で不利なポジションからスタートしがちな非早慶の出身者が恵まれた会社員人生を送るのは、少なくとも早慶出身者より難易度が高いと思います。
それが不公正だというのは勝手ですが、人が人を選ぶ以上、自分に近い人間を優遇するバイアスがかかるのは当たり前です。


まとめ
•同じ会社でも、在籍する大学によって採用される難易度は異なります。
•出身大学によって、入社後の配属先が大きく異なる場合があります。
•職種によっては「大学に入ってから頑張る」では手遅れの場合があります。