うーたんパパさんの大人気シリーズ「地頭と共に生きる」は、本当に興味深いお話が多いので、リブログネタもいろいろ思いつきます(笑)。


今回は、うーたんパパさんのブログにたびたび出てくる「東大カンタン詐欺」について、その発生メカニズムを考察してみようと思います(笑)。




「大した努力」をしていない


以前、当ブログで「努力と地頭の限界」という表題の記事で、次のようなモデルを提示しました。今回、このモデルをベースに考えます。



学力 = 地頭力 × 努力


地頭力の幅:1~10000

ランク1⃣:地頭力1

ランク2⃣:地頭力10

ランク3⃣:地頭力100

ランク4⃣:地頭力1000

ランク5⃣:地頭力10000


「努力」の変動幅:0.0~10

0.0:文字通り何もしない

0.1:心臓が鼓動する(無意識)レベルの努力

0.5:朝起きて布団から出るレベルの努力

1:朝、学校に行くレベルの努力

3:学校で皆勤賞がもらえるレベルの努力

5:心身に支障が出るレベルの努力

10:生活の全てを投入した極限の努力


さて今回、東京大学に入学するのに「学力:1000」が必要だと仮定します。そうすると、地頭ランク3⃣4⃣5⃣の人の、必要とされる努力値は、次のようになります。


地頭ランク3⃣:地頭力100×努力値10

地頭ランク4⃣:地頭力1000×努力値1

地頭ランク5⃣:地頭力10000×努力値0.1


「努力の強度」は、本人の地頭力に反比例します。地頭が良いほど努力しなくてもいいわけです。そして恐ろしいことに、東大生の少なくない人間が、このモデルでいう地頭ランク3⃣の上位層、地頭力500~800くらいにあったりします。そうすると努力強度が1~2の間くらい、卑近な例で言うと「中間テストの結果が悪かったから期末テストの勉強頑張った」くらいの(主観的)努力で、東大に入ってしまうことになります。


ですから、地頭ランク3⃣の上位層の彼ら・彼女らは、「大学入試で頑張ったことを都合よく忘れている」のではなく、そもそも「大学入試の勉強を頑張ったと感じていない」と考えられます。(あくまでもやっている本人の主観的に、です。客観的にはかなり強度の強い修練を「努力していると意識せずに」やっていたりします)




そこに、合格者バイアス


そんな彼らは、東大入学後に地頭ランク4⃣~5⃣の「天才」級の人に出会うことになり、その能力の高さに驚きます。また同時に、自分と同レベルの「地頭ランク3⃣の上位層、地頭力500~800」の人にも沢山出会います。

謙遜でもハッタリでもなく、主観的にそれほど「追い込んだ努力」をしないで東大生になった人たちの話を聞き、自分の経験を振り返って、彼ら・彼女らはこう考えるのです。


「天才」級の人たちに比べたら、全然大した能力を持たない凡人の自分(たち)でも、そこまでガチで頑張らなくても東大生になれたのだから、世間が思っているほど東大に合格するのは難しくない。


かくして、「そこまで頑張らなくても東大に合格できる」と読者に誤認させるには十分な、合格体験談が出来上がります(笑)。

生身の地球人では最強なのに、サイヤ人やナメック星人に囲まれて、自分の客観的な強さを認識できないクリリンの回顧録、みたいな感じです(笑)。


繰り返しになりますが、地頭ランク3⃣の上位層である彼ら彼女らは、「天才」級と比較して「凡人」に見えるだけです。そして彼らの「努力していない」は、「彼らの主観的には」努力していないだけで、客観的には「良い子はマネしないでください」レベルである場合もあります。


合格体験記などは、大学入試までに解いた問題数とか、受けた模試の種類・回数など、比較的客観性のある数値で「努力」を表現すると、勘違いする高校生も減るのかもしれません。




でも、懲りずにリンクを貼っておきますね(笑)。


「とりあえずビール」のノリで!