長谷川智也氏の「自考モードにする中高6年間の過ごし方」にあった、志望校は「とりあえず東大」というフレーズが、妙に気に入ってます(笑)。「とりあえずビール」みたいな軽さ、「気負わない決意」とでもいう気楽さがあっていいな、と思います。

大学受験の指南本を書いている方々がほぼ共通して書いていることに、「東大に進学したいと思うことが東大合格の第一歩」というのがあります。
毎年まとまった数の合格者を出す、先輩や同級生が東大を目指すことが「普通」の有力進学校と違い、そうでない学校に在籍していると「東大に行こう」と思うことが、まずハードルが高いと。行こうと思わなければ、例え東大に入るポテンシャルがあっても、受験もしないし合格も勿論しません。
そこで「とりあえず東大」という気軽さで、東大を目指してみればいいのでは、と思います。気負う必要はないし、途中で無理だと思えば、そこから方向転換しても選択肢は多いと思います。


この「とりあえず東大」でもう一つ思うのが、東大の女子比率の話です。とある「活動家」が東大生の女子比率が低いことを殊更問題視していますが、東大を受験する女子の比率と、合格する女子の比率に有意差がないという統計資料を鑑みると、東大の女子比率が低い原因は、そもそも受験者の女子比率が低いことだと考えるのが妥当です。

では、なぜ受験者の女子比率が低いのか、それも「原因はこれかな」という話があります。

東大女子率を上げるためには具体的に何をすればいいの?ジェンダー論の瀬地山角先生にインタビュー
記事にある、東大受験生の女子比率が増えない2つの要因は次のようなものです。

・親元から大学に通う前提
・浪人NG

女子生徒の本人の希望なのか、周囲の人間の希望なのかはさておき、男子生徒のように「東京での一人暮らしは当たり前」「浪人も覚悟の上」というチャレンジを女子生徒はしない(させてもらえない)、そんな社会環境が根本的な原因ではないか、と思います。

もし東大の女子比率が低いことが問題だと思うのなら、上記のリンク先の記事にもあるように、東大の女子学生や教員が東京近辺「以外」の共学や女子校の進学校に行脚し、女子生徒に東大受験を呼びかければ良い、と思います。(事実上現役生対象で、不合格のデメリットが存在しない)「推薦入試では女子生徒の受験者・合格者が増えるので、推薦入試を拡充して女子学生を増やそう!」という主張よりは、よほど社会の理解を得られるし、合理的です。

女子生徒に東大受験を呼びかける、その時のキャッチフレーズは、

・東京で一人暮らししよう!
・浪人上等!!

そして、

「とりあえず東大」

でいいと思うのですよ(笑)。