※あくまでも個人の考えです。

「ジェンダーバイアス」「アンコンシャスバイアス」は、相手を一方的にぶっ叩ける便利な魔法のポリコレ棒じゃないよ?、とこういう活動を見ているといつも思いますが、その筋の人たちに言っても無駄な気もします。

追記
このポスターを見て、自分の存在を否定されたように感じる男子学生が出ることは想像しないのでしょうね。自分たちの主張の為なら「男は傷ついてOK」なんでしょうかね?まさか「男のくせに軟弱だ」「男なら我慢しろ」とか、これまで多くの男性を傷つけ追い込んできた言葉を言ったりしませんよね?!


以前、当ブログで東大に女性が少ない「現実的な理由の一つ」を述べたので、再掲しておきます。女性が〜!とポリコレ棒を振り回す暇があったら、男女問わず医学部より魅力ある東京大学にする方法を考えた方が良い、と自分は思います。

出典
東大の女子学生が少ない最大の原因は、最も定員の多い理科Ⅰ類(東大の定員の約1/3)で、女子の志願者・合格者の比率が少ない(10%弱)からです。
女子の優秀層がそもそも理工系学部を選択しないとも言えます。じゃあ、女子の優秀層はどこにいったのか?…は言わずもがなの「医学部」でしょう。

現在、理工系は修士課程までは出ることが「当たり前」になっています。その6年間で学業・多少なりとも「研究」をして、メインの就職先は「文系職と給与の差がないメーカー」です。(新卒時に年齢2歳分の差はあるが、給与計算のテーブルは同じです)更にメーカーは事業所の立地から「勤務地が都会ではない」ことが多々あるし、残念ながら給与水準も高いわけではありません。
コスパうんぬんの議論は自分はあまり好きではありませんが、「仕事での待遇/学業に投入したリソース」を考えたら、科学者・エンジニアは本当に「ろくでもない」仕事です。

理工系の学部を出てシリコンバレーに撃って出るとか、高給のコンサルティングファームで働くとか、ハイリスク・ハイリターンの人生を送るつもりがないなら、「高い学習能力」を「金銭」に変える効率と確実性が高い「医者」という職業は、男女を問わず理系の優秀層には魅力的な選択肢です。

「医療なめんな」「医者はそんなに儲からない」と医者をやってる方々から反論されそうですが、だったら(若手の修行ではなく恒常的な仕事として)地方の県庁所在地から更に離れた僻地でコメディカルと同じ給料で医者の仕事するか?都市部勤務でいいから今の給料の1/2〜1/3の額で医者やるか?、と逆に聞いてみたいです。診療報酬が法定価格である恩恵は大きいですよ?

また、さんざん言い尽くされたことではありますが、男子がどうやっても代替不可能な、妊娠・出産というライフステージが想定される女子にとって、復職しやすい医療系資格職、その中でも医者は魅力的な職業でしょう。

そんなわけで、理工系の女子学生を増やす効果的な方法は、「理工系の学部を医学部より魅力あるものにする」、更に言うと性別関係なく「理系の研究者・エンジニアを魅力ある職業・待遇にする」ではないかと考えます。
しかし、戦後の左翼系「平等主義」のルサンチマンもあって、我が国全体が文系理系問わずに「頭を使う人間に金を払わない」「能力のある人間を安く使い倒す」で成り立っているので、改善されることはないでしょう。上述のように、医者は仕事が法定価格で保護されているから、他より高給なだけとも言えます。

能力と覇気がある人はアメリカに撃って出よう、そこまでの野心がないなら国内で医者をやって「小金持ち」になろう、学業の優秀層がそう考えるのも無理からぬことかな、と思います。