*あくまでも個人の考えです。

ダメージコントロール(ダメコン)とは
ダメージコントロールとは、物理的な攻撃・衝撃を受けた際に、そのダメージや被害を必要最小限に留める「事後処置」を指す。通称「ダメコン」などと呼ばれる。

軍事分野におけるダメージコントロールは、特に火災・衝突・座礁あるいは爆発等が発生した艦船において、水密・気密を保ち、予備浮力と復原力を維持し、可燃物を除去・火災を鎮火させ、ガス煙を排除、非常用の各装置を準備、被害の拡大を食い止め、負傷者を処置し、さらに故障を復旧・所要の動力等を供給することである。
(Wikipediaより引用)



中学受験において、(どの試験を受けても合格する)真の実力者、実力に対して安全校のみを受験する、幸運と偶然に恵まれる、などの場合でない限り、受験の過程で普通に不合格通知をもらうことになります。
その辺が、事前に中学校の進路指導で受験者を調整してできるだけ不合格者を減らそうとする、高校受験との決定的な違いだと思います。そして、結果に納得がいかなかったら浪人という選択肢が存在する大学受験とも違います。どんな結果であれ、4月からは中学生になります。

我が国においては「言霊信仰」でも呼ぶべきもの、つまり「悪いことが起きることを想定する・言葉に出すと、悪いことが起きる」という思想があるせいか、「災害発生」や「上手くいかない未来」を事前に考えるのを観念的に忌避する人もいます。
しかし、悪い事態を想定しようがしまいが、起こる時には起きます。悪いことが起こることを想定した準備をしていなかったら、被害が増すだけです。

というわけで、中学受験で保護者が事前に準備をしておくこととして、「不合格を想定したダメージコントロールの準備」が必要不可欠であると考えます。不合格通知を「被弾」しないことを前提とした受験計画ではなく、被弾することを前提に被弾の際の被害を抑え受験を継続する、事前の想定と準備です。受験前半で不合格が続いても、後半で合格を手にする受験生も少なくないのですから、不合格によるダメージを抑え受験を継続することに価値があると考えます。

具体的には、次のようなことだと自分は考えます。

・受験校ごとに、不合格であった際に受験生にかける言葉を考えておく。不合格であった場合に受験生がどんなリアクションをするか想定し、その対策を準備しておく。

・不合格の結果を受けた、受験の修正プランの準備、また4日目校、5日目校の事前調査と出願の用意、受験完了の判断基準の策定。

・不合格体験記(「2/2まで全落ちしました」とか…)を読んで、保護者がどのような精神状態になるのか学習しておく。

受験生本人が「必勝の精神」で受験に臨むのは大切なことです。しかし、保護者として必要なのは、受験生の「戦友」として同じ目線で戦うことではなく、「作戦参謀」として俯瞰的かつ冷徹に考え準備しておくことではないか、と自分は考えています。



P.S.
不合格の時にかける言葉をその場で考えるのは至難の業です。模試と違って「次いってみよう!」の次がない(その学校の受験機会がない)場合も多々あります。
自分ちだと「必死にやって、できないのもまた人生」なんですが、受験生の性格と家庭内の人間関係に依存する、模範解答のない「難問」だと思います。