ご好評につき(?)第3弾です(笑)。

※あくまでも個人の戯言です(笑)。

その2はこちら

男子の世界で評価されるのは「算数/数学」

「思考力重視」の結果として「物理>生物カースト」があるという話を「その2」で書きましたが、思考力重視の男子の世界で(勉学で)最も評価されるのは「算数/数学ができること」です。

全科目できる生徒≧数学ができる生徒>>物理ができる生徒>>・・・

というヒエラルキーがある、といいましょうか。ちなみに、この階層構造の「最下層」は「数学ができない生徒」です(苦笑)。そういう意味で、算数が得意でない男子が、男子しかいない進学校に進むと、惨めな思いをする可能性は低くないですよ、と申し上げておきたいと思います。こういう価値観を中和する女子がいないので、冗談抜きで「数学が得意は、正義」の世界があったりします。


実力テストの成績>定期テストの成績

男子の世界でカッコ悪いと思われているのが、範囲の決まったテストでは点数取れるのに、範囲が決まってないテストでは点数の取れない生徒で、「実力のない奴」という「烙印」を押されます。
その裏には「範囲の決まった試験で対策してできるのは当たり前」「そこで点数を拾いに行く生き様がダサい」という意識があります(笑)。

これ、中高生だけでなく、大学生になっても変わりません。「高成績による実利」がなく「単位を取ってればOK」な環境だと、たかだか半年、十数回の講義の試験勉強をガチでやってスコアを上げることをカッコ悪い、と思っている男子学生は少なからずいます(笑)。かくして、大学の「成績上位」は、その辺を馬鹿にしないで試験対策する女子学生が占めることになります。


「コツコツ努力」はマイナス評価

本当に「思考力・理解力に秀でた生徒」は思考力重視の問題を「手数をかけずに」理解し、問題が解けるようになるので、「頭がいい生徒≒思考力の優れた生徒≠たくさん勉強している生徒」だったりします。そして、精鋭の集まる塾や学校には、「努力に勝る天才なし」という言葉は凡人の負け惜しみに過ぎないことを、「実地で」見せてくれる生徒がいます。
それでも「並」の生徒は、現実的には努力するしかないのですが、それは翻って「卓越した才能がないこと」を認める作業なので、「コツコツ努力して成果を出すこと」は誇らしく人に示すことではなくなります。
ある程度以上「できる」男子生徒が「努力アピール」をしない理由もこの辺にあります。理想の姿は「努力しなくてもできる自分」なので、「努力しないとできない自分」はポジティブには評価できない、といえます。

こういう男子の価値観は、「アピール上手」が得をする内申書重視の試験や推薦入試とは、かなり相性が悪いです。どこの都道府県でも「高校入試の内申点は女子の方が高い」と言われていますが、そりゃそうでしょう、と思います。
そういう事情もあって、「統計的に男子の方が低い点数になる内申書を入試に採用するのは不適当だ」と自分は思うのですが、男女平等を建前として掲げる「活動家」は、男子の不利益には興味がないどころか、むしろ不利益を増大させることを正当だと考えているので、改善されることはないでしょう。平等を掲げながら、自分や自分の身内以外が被る不当な不利益はOKという二重規範は、人間として恥ずかしいよ?と自分は思いますが。



以上のような感じで、学業における「男子にとってのカッコよさ・矜持」は、必ずしも試験の点数と結びつかない、場合によっては「合目的的な受験戦略」に反する場合があります。
「そういう試験にマイナスな要素を持っていても、受験を突破できる実力者であること」が理想かもしれませんが(笑)、そうでない場合は、現実に「妥協」することも必要でありましょう。

ただ、こういう「努力アピール嫌い」で「変なこだわりテンコ盛り」でも、一発勝負の学力試験で実力を発揮できる生徒はたくさんいます。
各種選抜試験で、「普段の頑張り」だの「学業以外での活躍」だの、一発勝負以外の選抜方法を拡充していると、こういった「不器用な実力者」が社会に出ることを阻害することになり、社会の損失だと自分は思うのです。