皆様に大人気のうーたんパパさんのブログに、「【2025年組】地頭シャッフルの始まりです」と題する記事があります。
自分にとって、共感・納得する記事であり、この記事をリブログさせていただいた上で、自分の思うところを書かせていただこうと思います。
中学受験に関して、「5年生の後半で地頭シャッフルがおこる」というのは、うーたんパパさんの書かれている通りだと自分も思います。熱心に幼児教育をしようが、中学受験の準備を低学年から始めようが、5年の後半で失速していく生徒が出てきます。逆にここから加速していく生徒も出てきます。
うーたんパパさんが書いていらっしゃらない国語については、こんな感じかな〜と自分は思いました。
・国語の問題文の内容が抽象化・高度化し、精神年齢が低い生徒は内容が理解できなくなる。
・問題文がどんどん長くなるので「速く正確に内容を理解する」能力がないと、最後まで読み切れないか、雑に読んで設問の解答で間違う。
・塾が教える「問題を解く方法論・スキル」をそのまま使えば解答できるような問題が減っていく。国語ができる生徒は「方法論・スキル」の意味や背景にある考え方を理解し、応用することができる。
科目の各論的には「知識・スキルの応用が利かない、考えるのが苦手な生徒が頭打ちになる」と言えるのでしょうか。
またリソースマネジメントの観点から、5年生の前半までは、
・カリキュラムとしてやることが少なく、『反復練習』(課題の周回)をやるだけの時間が充分にある。
・習ったことの累計総量が少ないので、「テスト直前の見直し」の効果がそれなりに出る。
これに対し、5年生の後半以降は、
・やることはどんどん増える一方で、1つの項目に割り当てられる時間は減っていき、1周あたりの時間のかかる生徒は、『反復練習』がリソース的に困難になる。
・ここで、可能な限り「1周目」で身に付けられる「学習能力」が必要になってくるが、周回前提の勉強法に慣れていることもあり、周回勉強法⇒1周目で確実に身につける勉強法への転換ができず、リソース不足で沈没していく。
・テスト範囲が広くなり、テスト前の「付け焼刃」が通用しなくなる。
5年生の前半までは、(保護者が)リソースマネジメントを駆使して「努力」させれば何とかなるが、後半以降は「少ない手数で新しいことを身に付けられる『本人』の学習能力」が必要になる、といったところでしょうか。
この学習能力は、工夫の余地も大きいのですが、本人の「能力・適性」が大きな要素であることも間違いないと思います。
以上のような「地頭シャッフル」が中学高校でも起こります、ということを書きたくて本稿を書き始めたのですが、前段が長くなったので稿を改めます(笑)。
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【おまけ】
5年生の後半から伸びる生徒のタイプの1つに「それまでいい加減にやってきた生徒」というのがありますが、正しくは「雑にやっても授業についてこれた生徒」で、「少ないリソースで要領よくやれる生徒」とも言えると思います。
だから、やることが増えても「使っていないマージン」がいっぱいあるので、対処できるのです。本人的には「自分は変わってないのに、周りができなくなって勝手に沈没していく」という感覚だと思います。
リソース不足で5年生後半で沈没しない為には、「雑にやってもそこそこできる」状態を5年生の前半までに作っておけばいいのですが、それをやる為には結局「ある程度の地頭の良さ」が必要だったりします。
でもその「ある程度の地頭の良さ」があるのであれば、時間的に余裕があるうちに「手を抜く練習」をさせてみると良いと思います。そして、要領よく課題を終わらせることができたら、余った時間は遊んでいればいいのですよ(笑)。
そこに「空いた時間に勉強すればもっと上にいける」などと「大人が色気を出して」勉強を追加すると、せっかくの「要領の良さ」を潰すだけです。
仕事に例えると、時給固定で働いていて、通常8時間かかる仕事を6時間で終わらせて休憩していたら、「遊ぶな」と注意されて、更に2時間分の仕事を追加されるようなものです。アホらしくて「ダラダラ8時間働く」に戻ります。
自分で効率化できる人間をマネジメントするのに必要なのは、「8時間分の給与は払う、終わったら帰っていいよ」という発想だと思うのですよ(笑)。