*本文は、あくまで自分の個人的な考えです。

判断に迷った時に、判断の基準となる「ポリシー」や「哲学」を明確にしましょう、というのはよく聞く話です。これまた、安全衛生の訓話では割とよく紹介される、U.S.Steel 社のゲーリー社長の逸話(1906年)があります。
曰く、それまでの

・生産第一
・品質第二
・安全第三

を改め、

①安全第一
②品質第二
③生産第三

に変更し、安全を最優先にさせたことで災害が減り、品質が向上し、結果として生産も増えたという教訓です。また価値基準に優先順位を付け、上位の価値を守る為なら、下位の価値は犠牲にして良い、とも考えています。
(もしかすると違うのかもしれませんが、自分はそのように理解しています)



中学受験における優先順位は何か、自分の子供が中学受験の勉強を始めた頃に決めて、今でも守っていることがあります。

①安全と健康第一
②将来に繋がるやり方で学力を身につける
③志望度の高い学校に合格する

①安全と健康第一は言うまでもないです。台風や交通トラブルが発生している時に無理して塾に行かなくて良いし、課題が終わってなくても睡眠時間確保の為、容赦なく寝室に追い立てています。どうしようもないくらい疲れている時は、学校を休むことも仕方ないと割り切っています。勉強は心身を害してまでやることではないし、そもそも不健康だと勉強は長続きしません。

②は一言で言うと「中学受験に勉強のやり方を最適化しない」です。現象の本質を理解しないで「道具の使い方」を覚えて問題を解く、知識の相互関係を理解せずに「博物学的な知識の羅列として」記憶する、実際のところ、目先のテストの点数を取る為ならこちらの方が手っ取り早い場合もあります。(練習の目的を理解せずに「同じ問題を何周もやる」やり方は、理解なき学習を助長しているように、自分には見えます)しかし、このやり方で中学くらいまでは凌げても、高校以後の、特に数学と理科で行き詰まる人を少なからず見てきたので、「理解」をすっ飛ばさないように、子供には口うるさく言っています。

そのためであれば、目先のテストの点数はもちろん、③も犠牲にして良い、と子供には言ってあります。公立中回避の為の私立受験校のラインナップの提案(決めるのは本人)と準備は親の務めとしてやりますが、先々に繋がる勉強のやり方と学力を身につけた上で、中学校に進んで欲しいと思っています。

「中学受験は通過点」って、そういう意味だと自分は思っています。


P.S.
生涯、勉強を続けていく必要はあるわけで、「大学受験も通過点」なのですが。子供に「いつまで勉強を続けるのか」と聞かれたことがあるので、「人生が終わる時まで」「場合によっては来世でも」と答えています(笑)。