職場の女性社員が婚約した。
「いつ引っ越すか」とか「指輪はいくらだった」とか「どこに住むのか」とか「プロポーズは?」とか女性社員同士で楽しそうに話している。とても幸せそうでとてもキラキラして見える。
結婚前って、あ~ゆうもんだよな・・・人生で一番楽しい時っていってもいいかもしれない。
思い出すのは庸子のこと。
元々奇行が目立つ人だったが、彼女は結婚の準備が進むにつれてどんどん壊れていった。
不安でたまらない・・
嫌だよぉ・・嫌だよぉ・・
そう言って彼女はぽろぽろぽろぽろ泣いていた。
庸子との付き合いの中で私が後悔しているのは、
いつかは変わってくれるはず
いつかは考えを改めてくれるはず
と、
他人が変わることに期待をしてしまったこと
だが、人は変わらない。私がやるべきことは早々に見限り、彼女と縁を切ることだった。情がわき、切り捨てることができなかったため、私は一生消えない心の傷を負ってしまった。
幸せそうな女の子をみると、本当に心が軋む。
戻れるなら庸子と関わる前の自分に戻りたい。