(1)ケアプラン交付の問題。
介護サービスを利用するにあたり、ケアマネはケアプランの原案を作る。そして利用者や家族、各サービス事業所が参加する担当者会議を開催する。そこでは全員に「ケアプランの原案」を配り内容を協議する。修正する事が無ければ利用者や家族から署名を貰い、原案がそのままケアプランとなる。
これが担当者会議の一連の流れであるが、各サービス事業所に配った「ケアプランの原案」の取り扱いについて議論がある。
法的には「介護支援専門員は、居宅サービス計画を作成した際には、当該居宅サービス計画(ケアプラン)を利用者及び担当者に交付しなければならない。」とある。つまり交付するのは「ケアプラン」であり、必ずしも署名されたものである必要はない。ましてや署名入りのケアプランはケアマネが持っているので、所在は明らかである。
しかしそれが周知していないのは、サービス事業所としても運営指導対策だったり、自治体によるローカルルールによるものだというのは予想に難くない。
(2)理想と現実。
また、以前受けた研修では担当者会議で各事業所に渡したケアプラン原案は会議終了後に回収して、後日署名入りのケアプランを交付するというような事を聞いた事がある。よくぞそんな面倒くさいものをと思っていたので、私は原案はそのまま渡し、署名入りの1表だけ後日送っていた。介護予防については地域包括支援センター職員の署名も必要なので、その所見をもらった上で送っていた。
その署名入りのケアプランというのは今現在も続いている。先日も予防プランの担当者会議があり、地域包括支援センター職員は全事業所分、手書きで所見を書いていた。
このような法的にやらなく良いものまで行うのは、先に挙げた通り運営指導対策である。サービス事業者にしても「何かあったら困る」という事で、必要以上の書類を揃える事になる。しかもローカルルールまであるから、厚労省が示すものが必ずしもその自治体で正しいとは限らない。そういう事は一つ一つ自治体に確認しなくてはいけないし、知らない間に出来たりなくなったりもする。
(3)処分狙いがある自治体では不可能に近い。
個人的には今はメールで送っているので手間はそれほどかからない。それでサービス事業所が安心して働けるのであれば、その位の配慮はしても良いと考えている。まあ、確かにキチンとしたケアプランが欲しいというのも当然で、署名の無いケアプランで大丈夫と言われても、そうは受け取れないだろうと思う。
その位運営指導というのは面倒なもので、サービス事業所の中にはケアマネの書類を全て欲しいという所まである。それも法的根拠な無く「何かあったら」という思い込み程度のものだ。それを「勉強していない」と切り捨てるのは簡単だが、チームとして仕事を利用者に取り組む以上、そうもいかない。
それでも「サービス事業所に交付するケアプランには、必ずしも利用者の署名は必要ない」という事は伝えるべきだし、それは自治体のローカルルールに沿ったものでなければならない。ケアマネがいくら強弁しても、ローカルルールでサービス事業所が処分されれば元も子もないからだ。
だからケアマネが自治体のルールを完全に把握する必要があるわけで、それは処分狙いがある自治体では不可能に近いだろう。
