(1)仕事に立ち向かう心構え
私は20年ほど前に会社を立ち上げた。そしてケアマネになったのは約10年ほどたってからだ。そして今は一人で居宅介護支援事業所を営んでいる。
ケアマネの仕事を行うにあたり、いくつかの心構えの準備をした。
一つは事務処理。そこで役に立ったのはスキャナーである。今でこそ携帯の写真昨日はよくなったが、当時はまだ影が映ったり、斜めになったりで、書類として残しておくには今一つ物足りないから、スキャナーは役に立った。そこでパソコンに情報を入力して、場合によっては会議録や経過記録もそこで入力してしまう。空き時間があったら喫茶店で入力するということも出来た。
そしてもう一つは名刺に携帯の番号を載せた。これは24時間365日いつでも連絡してくださいという決意表明だ。
これはどこの事業所でも出来る事では無い。
雇われであれば労働時間以外は仕事をする必要はない。実際に夜遅くや休日の時に電話がかかってくることも度々ある。
しかし利用者にすれば、聞きたい時に連絡してくるというのは当たり前。その気持ちを受け止める事こそケアマネの本分と私は心掛けている。
(2)私の標準サービス
だから休日の時も仕事の事が気になる事はしょっちゅうある。それでどうしても片付けておきたい時は片づけてしまう。自宅で仕事を行うというのはこういう時にメリットがある。
外出先で電話があれば、必要があれば関係機関に連絡を取る。
当然、電話を取れない時は出られないが、それはしょうがない。それで利用者から文句が出たことは無い。
おそらくケアマネの多くは「何かあったら相談して下さいね」とは言うだろう。しかしそれは「自分の労働時間の範囲で」という事だ。私のように「労働時間度外視で」というケアマネはごく少数だろう。携帯電話の番号だって、本当は教えるべきではないという人もいるだろう。運営基準には「24時間連絡が取れる体制を作る」という事になっているが、それは留守番電話で事足りる。
もし断り切れなかったりで携帯電話の番号を教えてしまったら、上司からは起こられるわ、本当に電話がかかってきてプライベートの時間を邪魔されるのではないか、と嫌な気分にもなるだろう。
私の場合はそれが標準サービスである。
お客様というのは、その位の気持ちで向かい合わないといけないと思っているのだ。
(3)日本の介護を支える真面目な人
確かにプライベートの時間に電話がかかってくるのは面白くはない。しかし内容的には大した話ではないことが多いし、そう頻繁にかかってくるものでは無い。
この記事では仕事とプライベートの切り替えがうまく行かないという悩みであるが、私がアドバイスするなら、そのうち慣れるでしょうという事である。
コメントにもあるように0か100ではない。
そして生活の糧を得るための職業としてのケアマネである。であるならば、まずは仕事に邁進すべきであり、プライベートと切り分けられないのは当たり前である。そして余裕が出てくれば「何もしない時間」が出来、そのうちその何もしない時間を有効活用できるようにもなる。
この方は非常にまじめなのだろう。こういう方々に支えられて、日本の介護は成り立っているのだ。