ケアマネの魅力発信とは、ブラック企業の勧誘か(笑) | ケアマネ時々卓球、時々その他

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仕事は介護、プライベートでは卓球を中心に、その他もろもろ思いつくままに書いてみます。テキトーな独り言です。

 

(1)ケアマネのやりがいについて

ケアマネの仕事はやりがいがある。これは多くのケアマネが感じていることだと思う。では、なぜこれだけケアマネを含め介護の仕事が避けられるのかということである。

 

一般的に言われるのは「待遇の悪さ」

給料が安いというのは勿論、なかなか理解しづらい高齢者、モンスタークレーマーのような家族との関係、休みもろくに取れない労働環境、不規則勤務、挙げればキリがない。

 

今はどこも人手不足で、しかも働き方改革とかで働きやすい環境を構築する会社が増えていると聞く。逆に私が就職する頃は氷河期時代。社畜という言葉の通り、自分の労働の権利を主張する事すら憚られるような環境だった。

 

では介護の現場が、働きやすいかと言えば全く無い。

しかし行政がそんなことを言えるわけもない。連中の本音は安い労働力で、キツイ仕事をやらせる人材をいかに確保するかという事。アンケートなどでもその待遇改善の希望は10年以上出されているが、根本的に解決は出来ていないしする気も無い。その為に「やりがい」などという綺麗事を並べて、こういう業界に誘おうとするのは詐欺行為と言われてもしょうがないだろう。

 

(2)福祉の仕事のやりがい、そしてそれが・・・

私は大学を卒業してから社会人の大体を福祉の仕事に従事してきた。そこでいつも思うのは、「この仕事はやりがいはあるが達成感は無い」という事である。

 

営利企業であれば、いくら売り上げでボーナスがいくら出て、とか結果を出す事が求められる。つまりは「頑張れば自分に返ってくる」という事が明確であり、つまりは自分の為に仕事をしているのである。

 

しかし福祉の仕事というのはそれが無い。

ケアマネで言えば、利用者の要介護度が軽くなったから介護報酬が上がるわけでも無い。様々調整して家族の負担を軽くしたからと言って、ボーナスが出るわけでは無い。

 

それを「利用者や家族から感謝される」という実利の無いものでやりがいを語り、そこに賛同できるのは余程余裕のある人なんだろうと思うのだ。

 

つまり福祉の仕事こそ余裕のある人が慈善事業で行うものであり、営利と絡めるには余程の環境整備が必要なのだと思う。

 

(3)現場にできる事、それは膿を明らかにすること

国民の調査で、約6割の人が「生活に余裕が無い」と答えているという。しかも税金は上がる一方で国民負担率は50%に迫ろうとしている。

 

生きるのに余裕などあるわけがない。

 

自分が生きるのに精一杯な人が、人を助けようなんて思わないでしょう?

 

福祉が充実するというのは、余裕のある人が沢山いて、そうした福祉にもたくさんお金が使える環境だ。そうすれば人不足も無く、困難ケースも複数人で当たれる。それであればこの仕事を選ぶ人も出て来るかもしれない。

 

しかしいま行政が行っているのは全く余裕が無い状態で、何を言っているのか分からない「質」を錦の御旗にして現場に面倒なことを押し付ける。今はまだ現場が踏ん張っているから何とかなっているが、今働いている人が引退したら、後に続く人はいなくなる。

 

さらに行政はそんな現場についても締め付けはどんどん厳しくなる。人員基準の厳格化、ちょっとしたミスで介護報酬返還なんていうのは当たり前になる。

 

そりゃ、やる人もいなくなるよね。

 

(4)若い人は騙されない

我々現場の人間が出来ることは、こうした膿を明らかにすることだ。

 

今の若い人の情報収集能力は高い。いくらこんな「ケアマネの魅力」なんてものを出したところで引っかかる人はまずいない。それに親世代も「介護の仕事はやめておけ」というのが常識だ。

記事にもあるが「ブラック企業の勧誘か」というのはその通りで、ホワイトな会社ならそんなアピールをしなくても人は集まる。

 

私も「介護の仕事ってどうですか?」と聞かれれば「やめておけ」と即答する。

 

介護の仕事をしてやりがいを感じ、この仕事を選んで良かったと言える人は、余程余裕があるとか、生活が質素で構わないという奇特な人、もしくは「介護しか仕事が無い」というどの仕事でも通用しない「使えない奴」しかいないだろうと思う。

 

それがこの国が進めてきた福祉政策なのだ。

貧困というのはかくも恐ろしい。